◆キセキ/高橋優

 5ヶ月ぶりとなる配信曲は、昨年秋からTBS系ニュース番組「news23」EDテーマ曲。ネットで調べたらそこまで偏ってないようだけど、最近NHKやニュース・情報番組系のタイアップが多い気がしてました。あと、大手事務所独立後も比較的活動が安定している珍しいパターンかと(最もアミューズの場合、佐藤健や神木隆之介など俳優陣含め独立後も提携、あるいはのれん分けの要素が強いけど)。で、近年めっきり歌の雰囲気が穏やかになったと感じます(これはコロナ禍を経験しての心境の変化も?)。もともと日本語の歌詞に力があった人だけど、曲調のためにお仕着せがましくなくなったのはいい傾向かと思います。

 

◆満ちてゆく/藤井風

 ドラマ主題歌としてひさびさにロングヒットとなった「花」からこちらも5ヶ月ぶりの新曲は映画『四月になれば彼女は』の主題歌。タイアップの関係上ラブソングというオファーだったようですが、彼の死生観や宗教観が思いのほか強く出た歌詞になった印象。でもメロディーが平易でアレンジも穏やかなせいでクセ強感が少ない分、スクリーンの映像も邪魔しないし多くの人にすっと入っていく曲になってると思います。楽曲制作やリリースに追われる時期を過ぎて作品作りに余裕ができたのか、事務所レーベルの売り出し方の変化かわからないけど、音楽的嗜好の配合はこのくらいの塩梅が個人的には好きかな。