◆大人のいじめ/坂倉昇平
タイトルからしてメンタルが安定してる時しか読めないっぽい本ですが、膨大な数のいじめ相談を受けてきた著者が、その実例紹介とともに背景を分析している著書。主に職場でのいじめが取り上げられていて、増加の原因として長時間労働や低賃金など過酷な職場環境による余裕のなさを挙げているんですが、いじめ加害者個人の責任の部分を軽く見すぎている印象を受けました。これを言い始めたら、今度大きく経済成長や処遇改善する見込みに乏しい日本では永遠にいじめが減らない論法になりかねないかと。結局自分の身は自分で守らなければいけないということですね。
◆なぜ私は怒れないのだろう/安藤俊介
怒りをうまく表現できず我慢している人に対し、タイプ別に解消すべき事柄や怒り方のポイントを提示する「アンガーマネジメント」の本。前半の怒れずになめられてる記述は、今の日本と中国の関係にまんま当てはまりそうと思いながら読みました。自分が怒り表現を躊躇してしまうのは、怒る対象や方法がわからないというよりは、周囲から嫌われたくないという気持ちが強いからかなと。で、要するに自分に自信を持つことと最終的に手放すものがあっても割り切ることが結論っぽかったけど、それが普通にできる人ならとっくに怒れてるという矛盾のループに。