◆50th Anniversary Special A Tribute of Hayashi Tetsuji - Saudade - 

 
 
 
 

 「真夜中のドア」に象徴される邦楽シティポップス再評価の最右翼として注目度が高まっている作曲家の、作曲活動50周年を記念したトリビュート盤。大半が1980年代の曲で、杉山清貴や稲垣潤一など彼に縁の深いアーチストが多数参加しています。明菜、知世、伊代の80年代アイドル勢は揃ってセルフカバーに(明菜以外は既発曲ですが)。中森明菜の曲は別記事でレビューするとして、その他の楽曲およびトータル感についてレビューしたいと思います。

 

 女性はほとんど知らないアーチストだったんですが、カバーの出来としては男性ボーカルよりも良かった印象。中村由真や竹内まりやの曲は原曲に比較的近い声質だし、中川翔子は特徴には欠けるものの無難なボーカル。逆に男性は、ハモリを捻りすぎて気持ち良くない稲垣潤一や感情過多が違う方向にいってしまってる中西圭三など、起用に疑問を結構感じました。ラストの杉山清貴の歌を聞いて、ボーカル林哲司の音域の狭さを改めて実感。さだまさしのトリビュートを聞いたばかりだったんで、彼のメロディー特有のせつなさよりポップさが前に出てしまってたのが少し残念。