◆職務質問/古野まほろ

 この言葉を聞いてポジティブな感情を持つ人はあまりいないと思いますが・・・元警察官の作家が自身の経験を含めて職務質問の全貌を赤裸々に解説した著書。まあ元職とはいえ外部にオープンにしていい部分のみ書いてるんだろうけど、法的根拠や解釈も併せて書かれていて、内容の割に初心者にも読みやすい内容でした。ただ、特に若手警察官の努力は大変だと思う一方、あまりにグレーゾーンというか個人の裁量に一任されている言動が多くて、警察官性善説が通用しない今となっては職質乱用も日常茶飯事じゃないの?とも感じました(ちなみに自分はされたことないですけどね)

◆ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」/平井一夫

 ハード主体だったソニーをPlayStationに代表されるエンタメコンテンツの会社に生まれ変わり、最高益を上げるまでに立て直した元社長初の自叙。海外生活で日本人のアイデンティティを意識した子供の頃から、入社後配属された音楽部門、手伝いから身を捧げることになったゲーム部門まで一貫して「異端」だったことが強調されています。まあ経営上の本当にヤバいことは今でも書けないでしょうけどね。必ずしもソフト分野すべてが成功したわけではなく(映画産業とか)、仕事に取り組む基本的姿勢ができてたからこそ時流にも乗れたんだろうなと思います。