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◆12/坂本龍一

 約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。ガンとの闘病生活を続けつつ、日記を書くように制作した音楽12曲を収録ということで、制作した日付がタイトルとして並ぶ近年の邦楽では特異な内容。先日YMO時代の同志・高橋幸宏氏が亡くなりましたが、彼もまた自分の最期を覚悟しつつ「終活」に入っている気がしました。「日記を書くように音楽制作」は捉え方次第では制作やレコーディング期間に集中して取り組むのが体力的に厳しいともとれるわけで。音は言葉は悪いですが、黄泉の国から聴こえて来たような環境音楽。ヒーリングとも違うしもちろん商業音楽でもないし、彼の心の中にしか鳴っていない音楽だと思うんですけど。

 

◆MOUNTAIN BANANA/ザ・クロマニヨンズ

 約1年ぶりとなる16枚目オリジナルアルバム。甲本&真島が在籍していたTHE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWSの活動期間がともに約10年間なのに対し、もう1.5倍以上になるんですね。しかもほぼ1年に1枚アルバム発表とこのキャリアのバンドとしては超ハイペースなのに、極端な浮き沈みなくこの位置をキープしているのは凄いと思います。正直自分の得意ジャンルではなくどの曲も同じに聴こえてはしまうものの、逆にどの曲も彼らの曲と分かるのはDNAの濃さならでは。影響されてバンドを始めた人は現役アーチストにも多そうだけど、絶対こうはなりえないものを持ってるからこそ長く活躍しているんだと思います。