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永世七冠 羽生善治 永世七冠 羽生善治
1,404円
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◆永世七冠 羽生善治/羽生善治 

 将棋界のトップに長く君臨する彼の過去の執筆やインタビューをまとめた本。なので正確には著者=彼ではないし、森内九段、森雞二九段との受賞記念対談が一つの目玉になっていたりと、国民栄誉賞受賞のタイミングで売らんかなというあざとさを感じたりはしますけどね。ただ、小学生時代からよく知る森内氏との対談は彼のすごさをより具体的なエピソードで際立たせているし、何よりも将棋の勝負を優先する生き方やこれだけの偉業を達成してもなお謙虚な姿勢はよく伝わってきます。棋譜に関する記述は少なめなので、将棋に詳しくない人にも入っていきやすい本ですかね。

 

◆鬼才伝説 - 私の将棋風雲録/加藤一二三

 昨今の将棋界の盛り上がりには一役も二役も買っているでしょうね。羽生永世七冠以前から数々の記録を将棋界で打ち立ててきた彼の自叙伝的内容。今や「ひふみん」として強烈なキャラクターが先行しているイメージですが、現役をこれだけ長く続けていてその間に数々の名勝負に破天荒なエピソード多数、藤井七段に破られるまで持っていた数々の最年少記録など、棋士としてホントに凄い人なんですよね。個人的には将棋以外のクラシック愛好家や読書家、キリスト教の厚い信仰など(見た目に反した)インテリを感じさせる部分に興味がわきました。過去の自慢話は愛嬌として、文章もそのためかしっかりしています。