こんにちは!
ドラマティック☆コーチング長瀬尚彦です。
リーダーはどう言った思いで、部下指導をしているのだろう。
よく聞く話が、「背中を見せる」
2000年初頭くらいまでの世代では、「俺についてこい」という、背中で教えるリーダー像がありました。
「率先垂範」とも言いますね。
自ら先頭に立ち、実践して成果を出す。
そしてその姿を、部下が真似をすると言うもの。
私もそう言う指導を受けてきた世代です。
だからその気持ち、すごく分かります。
反対の意味では、「反面教師」と言うのもあります。
「俺のようになるなよ」
そんな自虐的な教えです。
「背中を見せる」
実は、とても高度なテクニックです。
これを有効なものにするには、条件があります。
上司と部下もスキルが高いことと、長期間要することの二つです。
教える上司側のスキルを考えると、ロールモデルとしてお手本となるような力量があって、分かりやすい手法を持っていることが条件になります。
受ける部下は、モチベーションが高く、向上心があり、観察力、行動力、チャレンジ精神が旺盛な人と言うのが前提です。
なぜかと言うと、ノンバーバルな伝達方法だからです。
多くの場合は、スキルの高い人が、成功体験が未熟な人に、「同じことをやってみろ」と、言うから事になります。
なぜそんな無茶振り的な手法が、以前は有効だったのでしょうか。
一つは、時間の余裕があったからです。
上司の行動を見せる余裕もありましたし、それを見て試行錯誤させる時間も取れたのです。
しかし今の時代はIT化が進み、判断スピードが格段に早くなりました。
部下が結果を出すまで、見守る時間が取れないのです。
二つ目は、ニーズの多様化、個別化進んでいる中では、 10年20年前の成功体験と言うものが、この時代に合うかと言う、不確かさものもあります。
やり方、考え方、ツールが年々変わっていますから、確率は低いと言わざるを得ません。
ただ、背中を見せる指導が、今の時代、全くダメかと言うと、そのようなことはありません。
私のクライアントの中にも実際に、成果を上げている指導者もいます。
そう言った指導者に話しを聞いてみると、「良く周りを見ている部下」や、「似たような考え方の部下」には通じるそうです。
ですが、限られた人たちにしか効果がないのも事実だそうです。
また、昨今はコロナ感染症対策によって、リモートワークが進み、背中を見せる場がなくなりつつあります。
ノンバーバルな、背中を見せると言う手法自体が不可能になりつつあります。
つまり、こういったことから、背中を見せて育てると言う事は、これからほとんどの確率で望めなくなってしまったのです。
では、どういったことが大切になるのでしょうか?
私は部下の「背中をそっと押す」ことが求められる時代だと思います。
実際に実行する部下の、「どうしたいのか」「引き出しそれを応援することです。
「どうしたいか」を引き出すのも、苦労することです。
「あなたは、どうしたいの?」そう聞いても、答えを持っている人は少ないでしょう。
そして、それを上司を前にして答えられる人はほとんどいないと思います。
そのためには、部下との信頼関係が必要となります。
では、どうしたら信頼関係が築けるのでしょうか?
それは、部下の話しを最後まで聴くことから始めてください。
聞いて、受け止めるのです。
「なるほど、そう思っているんだね」
そこに、評価はいりません。
ましてや否定は厳禁です。
話しを最後まで聞いてくれると、どうなるか?
「これでいいんだ」、「大丈夫なんだ」と言う安心感が部下の中に生まれます。
その安心感は「これでやってみよう」と言う自信に変わります。
上司として信頼関係を築くために一番必要な事は、この安心感のある場を提供すると言うことです。
まとめ
「背中を見せる」⇒「背中をそっと押す」

