カナダ〜アメリカの話が続くが、今回もその話で。

 旅の割と前半の話。カナダ・ビクトリアでの思い出。ちょっとした思い出だ。ビクトリアには10日間ほど滞在した。ビクトリアでの滞在先はユースホステル。ご存知の方も多いと思うが、簡単な寝床があるだけの相部屋である。

 私が泊まったユースホステルは色々な部屋があったようだが私は4人までが泊まれる部屋に滞在した。4〜5畳程度の広さの部屋に2段ベッドが2つ。私の1泊目は二つあるベッドのうち、下の段が一つだけ空いていたので、自動的にそこに陣取ることになった。
 
 適当に荷物を広げ、着替えてくつろぐ。しばらくすると、同じ部屋の宿泊者が入ってきた。
 目が合う。あいさつを交わす。確かフランス人だった。旅が好きで、そこらじゅうを旅しているらしい。もう一つのベッドの下の段だったので荷物が見えたが、旅に慣れている感じのバックパックがおいてあった。こちらもひととおり自己紹介をする。日本からきていることや、このあとどこに向かおうとしてるかなど。ただ、前にも書いた通り私はほとんど英語を話してきた経験がない。簡単な会話をするのも必死だった。

 少し余談だが、旅全般を通して思ったのは、こちらの人間はみんな英語が話せる。地元の人間に限らず、私と同じように旅や旅行で来ている者も。私は極端に話せないほうだったように感じる。
 ただ、それでも1ヶ月なら生きていくことはできた。もう少し長く滞在して、思ったとおりの生活がしたければ、ある程度話せないときつそうだ。

 このフランスの彼とは少し挨拶をしてそれきりだった。翌朝には彼はおらず、このとき限りの間柄となった。さて、その後は色んな国の連中が入れ替わり立ち替わりだった。全員と話したわけではないが、スペイン人、イギリス人、韓国人、あとは忘れた。

 ユースホステルの中にはシャワールームがあったが、シャワー付きの浴槽には栓がなく、お湯を溜めることができなかった。2〜3日はシャワーで済ませたが、段々我慢できなくなり、なんとか風呂を溜められないか考えた。栓に合うようなフタは持っていないし、フロントに聞くのも面倒だ。結局私は持っていたビニール袋を使うことにした。ビニール袋を穴に合うように被せ、その上からお湯を溜めると栓の代わりになった。
 いくつかシャワールームがあるとはいえ、他の客からしたら長時間の使用で迷惑だっただろうが、おかげでゆっくりと湯船に浸かり、疲れを癒すことができた。

 ある日、ホステルの一階に設置してある洗濯機を使おうと段取りをしていたら、別の洗濯機を使っていたであろう日本人の旅行者がこちらを見ていて、目が合った。
(続)