今回は、小学校3年生のADHDのお子様のソーシャルスキルトレーニングをご紹介いたします。
ポイント
Yさんは、とても明るくておしゃべりが大好きです。
一緒にやろう!という先生の話を聞いてくれたり、ときには真面目に取り組んでくれて素直なお子さんです。
しかし、時には授業中に話が脱線してしまって、計画的に進めるのが少し難しいという気まぐれな一面もあります。
今回のSSTは、本当のことをすべていうのはいいとは限らない、というテーマで一緒にワークに取り組んでみました。
お話はこうです。
Aさんは友達からボウリングに誘われました。
Aさんは家族で何度か行くほどの経験者だったので、2ゲームやって1ゲーム目は1位、2ゲーム目は2位という結果でした。
そんな中、Cさんはあまりボウリングをやったことがなかったので得点が低くがっかりした様子でした。
そんなCさんをみて周りの友達は、
「初心者にしてはよくがんばってたよ」
「1回で倒せる本数がだんだん増えてたよね」
と励ましていました。
ところが、Aさんは、
「①ちょっとまって、ちゃんとスコア表を見てよ。1ゲーム目は0、0、3、6、0、0で・・・,
②それからさ、Cさん今日で3回目でしょう。もう初心者とは言えないんじゃない、
③でも、もっと倒せるように今度、僕が教えてあげるよ」
と言いました。
Aさんの言ったことは間違っていません。
しかし言わない方がよかったのはどこでしょうか?
正解は、①と②です。
どうして言わない方がよかったのでしょうか?
なぜなら、周りの友達はCさんのがっかりした気持ちを考えて、いいところを見つけようと言っているのにこんなことをいったらますますCさんの気持ちは落ち込むし、周りの友達の気持ちも無駄になるからです。
事実はなんでも言ったほうがいいとは限りません。その場の雰囲気、みんなの気持ちを優先させることも必要です。