日本は、サウジアラビアと並んで世界一座りっぱなしの国です。
日本人の平日の総座位時間は7時間。
とくにデスクワークをしている人は、
勤務時間のほとんどが座っての仕事であれば、
それだけで7時間を軽く超えるのは想像のつくところです。
そう言う私も外出せずデスクワークの日は
10時間座りっぱなしです。
座りっぱなしのリスク
座りっぱなしの状態は
飛行機のエコノミークラス症候群と同じで、
足や下半身などにできた血液のかたまり(血栓)が、
血流に乗って肺の血管(肺動脈)につまり、
胸の痛み・呼吸困難・循環不全などをきたす病気を引き起こします。
下の図は動いている時と座っているときの
脚部の筋肉の動き度合いを示したものです。
ふくらはぎは第2の心臓であり、
下肢にたまりがちの血液を体を動かすことで
ふくらはぎがポンプの役割を果たし、血流を促進します。
しかし、座っている時の状態は
上の筋電図では全く波動がなく、
ふくらはぎのポンプを停止しています。
つまり座りっぱなしの状態は、
第2の信号の活動停止状態ということです。
座りっぱなしの生活が続けば、
・肥満や糖尿病、高血圧、一部のがん、冠動脈疾患などの
死亡のリスクが高まる
・認知機能や抑うつ、機能的体力、腰や首・肩などに
悪影響を及ぼす
という健康被害をもたらします。
座りっぱなしによる健康被害を回避するポイント
①1日の総座位時間は8時間を目安とする
座位時間が4~8時間、8~11時間、11時間以上と
長くなればなるほど、座位時間4時間の人と比べて
死亡リスクが11%ずつ高まる
②90分ごとに立ち上がってブレイクをとる
上の図のように立ち上がるだけでも違います。
人が集中し続けられる時間は90分ですので、
大学の授業のように90分デスクワークしたら、
5分~10分のトイレ休憩やコーヒーブレイクをとる
③座位時間6時間以上になるときは、途中で10分間の軽い運動を
脚を動かすことで第2の心臓を働かせる効果だけでなく、
仕事の生産性に影響を与える活力や熱意、集中力が低下するため、
例えばストレッチをするだけでも脳がリフレッシュする
仕事の効率を高めるためにも実践してみましょう。