人種・性別・年齢などに一切関係なく、
すべての人々が自分の能力を活かしていきいきと働ける社会、
つまり多様性のある職場を実現していく上で障害となっているのが
無意識の思い込み・偏見『アンコンシャス・バイアス』です。
内閣府によるインターネット調査(2021年8月)では、
性別による役割や思い込みとされる36項目について質問した結果、
男女とも上位に挙がったアンコンシャス・バイアスは以下の通りです。
「女性には女性らしい感性があるものだ」(男性51.6%、女性47.7%)
「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」(男性50.3%、女性47.1%)
また、昔からよく言われる「男性はこうあるべきだ」という類のものについては
「デートや食事のお金は男性が普段すべきだ」(男性37.3%、女性22.1%)
「男性は人前で泣くべきではない」(男性31.0%、女性18.9%)
という結果から、女性以上に男性側、とくに50~60代に
性別役割意識が強い傾向があることがわかりました。
私はいま50代で、職場で男女差別を直に受けてきた世代であり、
「お茶出しは女性がやるべきだ」
「小さな子どもがいようが、正社員で働く以上残業は当然だ」
という暗黙のルールの下で働いた苦い経験がありました。
そう考えるとそれから約20年が経過し、
男性も育休を取得する権利があるという考え方が
スタンダードになりつつあるのは
私にとっては信じられないくらいの進歩です。
なので、50~60代男性が性別役割意識が未だ強いのも理解でき、
辛酸を舐めてきた女性の私ですら、思い込みを書き換えるのは
意外と難しいと実感しています。
アンコンシャス・バイアスに限らず、よろしくない思い込みを相手に強要すると、
ハラスメントという問題を引き起こすことになりかねませんので
「~べきとは限らない」とこだわりを緩めることを意識した方がよさそうです。