健康経営エキスパートアドバイザーであることから、

「健康格差」という言葉を昨年末の健康経営関連の

ウェビナーに参加して耳にしました。

 

健康格差とは何か?ととても気になりお正月休みに読むことにしました。

 

 

NHKスペシャルで2016年に取り上げられた「健康格差」。

その時の番組内容や加筆されたものが書かれている本です。

 

・低所得の人の死亡率は、高所得の人のおよそ3倍

・非正規雇用者は、正社員より糖尿病の合併症である

 糖尿病網膜症を悪化させる割合が1.5倍高い

・子どもたちの間では、貧困家庭を中心に肥満が広がっている

 

WHOは健康格差を生み出す要因として、

所得、地域、雇用形態、家族構成 の4つが背景にあると指摘し、

「健康格差」を解消するよう各国に対策を求めています。

 

このように、健康か否かは健康に対する自己管理能力の低さが

原因ではないということであり、

生まれ育った家庭環境や地域、就いた職業や所得などが

原因で生じた病気のリスクや寿命など、

個人の健康状態に格差が生まれてしまうのが健康格差ということです。

 

 

ある企業で、現場で働く非正規社員に対する健康セミナーを行ったところ、

「仕事柄不規則な生活になり、食生活が偏ってしまう」

「働かないと手取りが減るから病院に行く暇がない」

「独身だから、自分一人がどうなっても構わない」

という声を多く聞きました。

 

実際に3カ月に亘り、生活習慣を改善するコーチングを数名に行い、

個々の意識とちょっとした習慣づけをすることで体重が減る人もいましたが、

ウェルビーイングとは言えない生活であることには変わらず、

個人がやれることに限界があると痛感しました。

 

 

格差社会という言葉は以前から挙がっていますが、

収入格差が教育だけでなく健康にも影響を及ぼしていることを

まず理解しておきたいものです。