本日もおつきあい下さり、ありがとうございます。
やっと観てきました。
マンチェスター バイ ザ シー ~Manchester by the Sea~
まずは、マンチェスター バイ ザ シーのあらすじなどをご紹介。
主人公リーは便利屋稼業。
アパートのトイレのつまり、水漏れ、シャワーの故障などを直すお仕事。
無口で、不愛想で、すぐにキレて暴れる。
仕事はできても苦情がひどい。
兄が亡くなったという連絡が入り、リーは故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに帰る。
リーとは大違いで、人望も厚い兄の死を悲しむ人は多い。
なんと、兄は、遺言に、「リーを息子の後見人にする」と書き残していた。
大好きな兄の遺言なのに、ずっとかわいがっていた甥のパトリックなのに、
リーは、どうしても後見人を受けたくはない、と突っぱねる。
彼には、この街にとどまれない大きな理由があったのだ。
犯罪ではない、でも、絶対に許されることのない大きな過ちがあった。
リーの名前を知らない人はこの街にはいない。
とんでもない大きな、記憶から消すことのできない、悲しい過去。
その場面が突然画面に現れた時は、ショックで声が出そうになりましたよ。
うわ~、こんなことがあったのか、この男には。
それは悲しいよ。この街からすぐに逃げ出したくなるのは当たり前。
でも、ここでは、言わない…笑
甥のパトリックも、突然の父の死のショックでパニックになっている。
無口で、心を開かない男同士の、奇妙な距離感、続かない会話。
それでも、その中でリーは過去から逃げるだけでなく、
甥っ子との将来を考えるようになっていくんです。
リーと元妻ランディの再会シーンには一番涙腺を刺激されました。
リーのとんでもない重い過去とは、妻ランディとの生活で起こったこと。
悲しく辛く、自分を支えきれないほどの傷を抱えて、
それぞれの場所で過去を忘れようと生きてきた二人の再会。
主演男優賞のケイシー アフレック、助演女優賞候補のミシェル ウイリアムス
二人の名優の、ほぼ無表情なのに心を揺さぶられる演技がたまらない。
このシーンで、映画を観る者全てがリーを応援したい気持ちになったはず。
辛く、苦しい過去、けして癒えることのない傷があっても、
人は生きていかなきゃいけないし、生きていくことが出来る。
生きているうちに、新しい人との出会い、新たな希望も湧いてくるんだ。
この映画は、静かに、押し付けがましくなく、それを教えてくれる気がします。
さて、この映画は、作品賞の候補にもなってたし、
ベン アフレックの弟、ケイシー アフレックが主演男優賞を取った作品。
脚本&監督のケネス ロナ―ガンが、脚本賞を取ったときのスピーチで、
ケイシーアフレック、ケイシーアフレック、ケイシーアフレックと連呼していたっけ。
物語の内容は全く知らず、ケイシーの演技を観るために行ったようなもの。
ケイシーは本当に素晴らしかったし、それ以上に物語がすごかった。
静かなんだけど、全然眠くならない。無駄が全くないストーリー。
ケイシーもそうだけど、元妻役のミシェル ウイリアムスもやっぱりすごい。
ミシェルって改めていい女優さんなんだなって思う。
ヒース レジャーの未亡人(結婚してなかったけど、ヒースそっくりの娘がいる)であり、
やっぱり、暗いイメージは必ずつきまとうんだけど、この役は特にはまり役。
心に大きな傷を持つランディの役はミシェルじゃないとできないかも。
この映画のプロデューサーであるマットデイモンは、初め主役の予定だったとか。
マットは好きだけど、リーの役をマットがやったら、こんな感動はなかったかもな。
心に傷を持つ役は得意なマットではあるけれども、
グッド ウィル ハンティングの頃の純粋なまっすぐなマットは、いないもんなあ。
まあ、とにかく、お勧めです。
中途半端にネタバレなしってことで…笑