コーチ型リーダー研修:忙しいリーダーが1日5分で、部下のやる気と結果を引き出す -2ページ目

コーチ型リーダー研修:忙しいリーダーが1日5分で、部下のやる気と結果を引き出す

日本トッププロコーチトレーナー馬場啓介による、コーチ型リーダー研修。忙しいリーダーが1日5分で、部下のやる気と結果を引き出す。

 美しすぎるC店長の意外な変化




有名レストランチェーンの店長18名に対して


コーチ型リーダー研修を、実施したときのことです。



男性ばかりの参加者の中で、一際目を引く美しいC店長は、


とても優秀な業績を出し続けている、女性店長でした。



常に凛としていて、人を寄せ付けない雰囲気の方で、


研修のような場では、決して心を開こうとしないタイプの方でした。




案の上、研修中の発言は、あたりさわりのない発言ばかりで、


自分のことを開示することに、とても抵抗があり


プライドが高い印象の方でした。




そんなC店長に、研修中、私はこんな質問を投げかけました。



「Cさんは自分の“のびしろ”は、どれぐらいあると考えていますか?」



「のびしろ・・・さぁ~?もう大してないのではないでしょうか。歳ですし!笑」



「それは残念!では成長できない環境で、仕事をされているのですね!」




C店長は一瞬ムッとした顔をしたあと、苦笑いをしながら言いました。



「今以上の業績を出せと言われても、体力・精神的にも、ちょっと困るという意味です」



「なるほど!Cさんは、ずっと優秀な業績を出されていますからね!」




私はつづけて、C店長の表情の変化を確認しながら、


参加者全員にこんな質問をしました。




「これから5分時間を取ります。


“店長の仕事とは?” について、出来る限り紙に書き出してください」



C店長は、この質問の意図を気にした様子で、しばらく考えた後にいくつか書き始めました。




5分後、数人の方にみなさんの前で発表して頂いた後に、


周りの人と見比べていただきました。




私はC店長を見て見ぬふりをしながら、様子をうかがっていました。



すると、C店長と見比べたA店長の、こんな発言が聞こえました。




「Cさんは、部下の育成については具体的にひとつも書いてませんね!笑」




予想通りの結果でした。



C店長は、店長は業績さえ上げていればいい、という枠に入りこんでいたため


育成の仕事の重要性を頭ではわかっていても、


わかっている「つもり」になっていたため、このような回答になっていたのです。



・・・・・・・・・・・・≪C店長の回答≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・ 業績を上げる(ノルマの達成)


・ CS(顧客満足)の向上


・ アルバイトの採用と研修


・ シフト管理


・ エリア長への報告


・ 社員教育



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・≪C店長につっこんだA店長の回答≫・・・・・・・・・



・ 目標達成(業績)


・ 社員の意識改革


・ 社員教育(マニュアルの徹底)


・ 社員とアルバイトのコミュニケーション力強化


・ 社員の愚痴を聞く


・ 社員やアルバイトの体調管理の徹底


(以下割愛)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




この、C店長とA店長の回答の違いから、


その店長が、普段考えていること(意識していること)が、よくわかります。



私はみなさんに、言いました。



「同じ仕事(役割)のみなさんにも、これだけの仕事の認識に


違いがあるのは、とても面白いことですね。


決して、正解・不正解はありませんが、


他の店長の回答を見て、自分がもっと店長として


成長するためのヒントが見つかった方は、自分の仕事に付け加えください。」



そしてつづけて、私はC店長を意識し、みなさんに言いました。



「店長であり、お店のリ―ダーであるみなさんにとって


業績を上げることは、会社から任せられたミッションです。


けど、それだけを目的として、ずっと同じ仕事をしていて、仕事を楽しめますか?」



すると、C店長がめずらしく発言をしました。



「仕事って楽しむものでもない気が・・・」



私はこう返しました。



「Cさんにとって、仕事は楽しむものではないのですね?」



Cさんは、小さくうなずきました。




人は、「思い込み」を信念として大切に生きている生きモノです。




「仕事とは○○だ」



という考え方(思い込み)で、その人の仕事に対する考え方は決まります。



仕事は楽しむものだ


仕事は冒険だ


仕事は挑戦だ


仕事は成長する場だ



と考え、毎日働いている人と、



仕事はお金を稼ぐためにやらなければいけないものだ


仕事は苦しいものだ


仕事は企業に勤め、企業のために働くことだ


仕事は家族の生活を守るためにやらなければならないことだ



と考え、毎日働いている人とでは、



当然、仕事に対する言動、自分の役割の考え方、仕事の時間の感覚、


仕事へのストレス、仕事での人間関係、人生の生き方、すべてが異なります。



何が正しいということではなく、C店長は、仕事は楽しむものではない


という思い込みを、大切にして働いていたため、


「仕事は結果さえ出せばいい」と思う傾向が強く、


また、仕事で得られる成長にアンテナが立っていない状況が、つづいていたわけです。




私はあえてC店長との対話に深入りすることなく、


参加者のみなさんに向けて、話をつづけました。



「リーダーの立場は、大変な分、実はそれ以上に面白い役割があります。


それは・・・「自分がいなくてもいい状態をつくる」です。

こんな「教え」があります。



一流のリーダーは、目標を常に達成できる人。


超一流のリーダーは、自分がいなくても、目標を達成できる環境をつくれる人。



ようするに、みなさんには、


“結果を出しているのに、忙しくないリーダー”を、目指してほしいわけです。



結果を出そうとすればするほど、忙しくなるなら、


誰だって絶対にモチベーションは、上がらないはずですから。



「別に、忙しい方がいい!」という方がいたら手を上げてください。



・・・・



いませんね。



では、休憩をはさんで、これからは、


そんなリーダーになるために、必要な技術を手に入れていきましょう。」




休憩時間になると、C店長が私の前に来て、笑顔で一言言いました。



「そんな魔法があれば、ぜひ教えてくださいね。先生。」



なんとも、C店長らしいコメントでした。笑




少なからずC店長は、


自分の「思い込み」の枠に気づき、


仕事で得られるリーダーの楽しみや、成長にアンテナが立ち、


これからの研修に興味をもってくれたのでしょう。




私も一言だけ、C店長に笑いながら言いました。



「今の結果を出しながらも、Cさんが忙しくなかったら、


Cさんはリーダーとして無敵ですね!」



休憩後は、こんな話からスタートしました。



「リーダーの質は、どれだけ部下をリーダーに成長させることができたか?


であり、


優秀なリーダーに求められる能力は、


忙しい状況の中で、どれだけ効率的(短時間)に


部下が成長できる、質の高い会話(関わり)ができるかです。」



その時から、C店長はこれまで以上に、研修に聞き入っていました。



それから2時間、その能力を手にするために、2人組になり


さまざまなエクササイズをしました。



リンク 2日間のコーチ型リーダー研修プログラムの詳細




C店長含め、みなさんとても集中しながらも、大きな声で



「ああ・・・確かにいつも、こんな詰め詰めの会話してるわ・・・」


「たしかに、これじゃ育成しているようで、ただアドバイスしているだけだ!」


「自分が部下としてきた会話が、意外と怖い・・・」




などと、自分のこれまでの会話と、


コーチングスキルを取り入れた、短時間で部下を成長させる会話


との違いを、体感して頂きながら学んでいただきました。



研修最後の、休憩時間のことでした。



C店長が私のところに来て、こんな意外な質問をしてきました。



「先生は、コーチングをどこで学ばれたんですか?」


「先生は、どうしてコーチングを学ぼうと思ったんですか?」


「コーチングって、他にどんなスキルがあるんですか?」


「コーチングを学ぶのに、おすすめの本はありますか?」



それまで、人にまったく興味がないようにふるまっていた


C店長が、私のことや、コーチングにとても興味を持ち始めてくれたのです。



これはC店長にとっては、とても大きな変化(成長)であったことは、間違いありません。




そして、C店長は研修の最後の感想で、こんな発言をされました。



「コーチングに、とても興味を持ちました。


正直、『自分が楽になりたい』という気持ちと、


『部下を成長させたい』という気持ちが、50%50%ですが、


これまで知らなかった会話の技術を学び、


ちょっとだけ、明日からの仕事が楽しみです。」




その発言の後に鳴り響いた拍手は、誰よりも大きなものとなりました。




研修後のC店長の変化(出した成果)は、まだ聞いていませんが、


C店長の仕事に対する考え方が、変わっていることは、確かだと信じています。



4ヶ月後に予定されているフォロー研修で、C店長からどんな成果報告が


聞けるのかを、私はとても楽しみにしています。





リンク 参考記事:部下がついてこなかったA部長の変化