コーチ型リーダー研修:忙しいリーダーが1日5分で、部下のやる気と結果を引き出す

コーチ型リーダー研修:忙しいリーダーが1日5分で、部下のやる気と結果を引き出す

日本トッププロコーチトレーナー馬場啓介による、コーチ型リーダー研修。忙しいリーダーが1日5分で、部下のやる気と結果を引き出す。


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● 暗すぎるBリーダーの変化




この話は従業員300名ほどの中堅メーカー企業での出来事。



この会社の人事部の方が、


私が運営している個人向けオンラインキャリアコーチング(ラストスクール)


の大ファンだとご連絡をくださり、そのご縁でコーチ型リーダー研修をすることになりました。




研修の目的は、次世代を担う新人リーダーの能力開発でした。




リーダーに昇格して3年以内のリーダーが25名ほど集まり研修が始まりました。




一番最前列に、とてもおとなしいというか、くら~い雰囲気をかもし出している


Bリーダーが座っていました。



Bさんは、リーダー2年目。3名の部下がいるチームリーダーで、


主に、工場に対する営業をしていました。



(よくこんな雰囲気の方が営業やってるな・・・)



と思ってしまうほど、それはそれは心配してしまうほどでした。



ただ、みなさん基本おとなしく控えめな方ばかりでした。



私は、準備をしていた内容を急遽変更し、




「では、みなさん!これから10分時間を取りますので、


この会社の魅力を一人1分で、みんなの前でスピーチしてください!



ルールが3つあります。



1、スピーチを聞くときは、この会社のことをまったく知らない人になる!


2、スピーチを聞くときは、笑顔で興味を持って聞く!


3、半数以上の人が興味を持つスピーチをする!(挙手で確認する)」




みなさん苦笑いしながら10分間真剣にノートに向かいました。


Bさんは超暗い顔でずっとノートに小さな文字を書き続けていました。




それなりにスピーチは盛り上り、ついにBさんの番に。




Bさんは、あたりさわりのない、どの会社にも当てはまるような


内容のスピーチを小さな声でしました。



全員のスピーチが終わり、


結果3人だけが半数以上に興味を持たせるスピーチをしました。




私はみなさんに言いました。



「これがみなさんの仕事の核ですよね?」



「・・・・」



「営業は自分の会社の魅力を誰よりも魅力的に語れなくてはならない!


人を採用する人事も、広報だってそう!


そしてリーダーは、部下にこの会社の魅力を常に語れる人でなければなりません!」



みなさんは無表情のまま、小さくうなずいていました。




自分の会社、仕事に誇りを持てない人が、その仕事で成果を出すなんて不可能です。


ましては、リーダーなど絶対に務まりません。




私の予感どおり、


この参加者の多くが自分の会社、そして仕事に誇りを持てずにいたのです。



その原因はたくさんあるはずです。



ただ、その原因のすべては参加者であるリーダーにあるのです。


そう考えなくては優秀なリーダーが生れることはありませんから。




私はこんなエクササイズを続けました。



「これから5人組になって、20分間、会社の魅力を引き出し合い


再度、会社の魅力を最高に伝えるスピーチをしてください。



ルールは一つ!


・さっき個人が発言した内容の魅力はなし!」




すると、研修の企画者である人事の方が言いました。



「せっかくですからそのスピーチをビデオに撮って幹部に見せましょう!」



みなさん少しだけ動揺していましたが、この素晴らしい提案もあり、


参加者がとても真剣に議論をはじめました。




5分を過ぎた頃、ある勇気ある参加者が言いました。



「正直、これといった魅力がでてこないのですが・・・」



すると、他のチームも苦笑いしながらうなずきはじめました。




人事の方にとっては衝撃的な瞬間だったと思います。


私は、この瞬間を経営層がまずビデオで見るべきだと思いました。




私はみなさんに言いました。




「正直な発言をありがとうございます。


では、エクササイズの内容を変えましょう!



今から話し合っていただく内容は、


3年後、この会社が、最高に魅力的になった姿(状態)を


5人で話し合い、その状態を3年後からタイムスリップして、


今の私たちに自慢げにスピーチしてください!」




驚くほど雰囲気が変わりました。


20分経っても、「もう少し時間をください!」という発言が相次ぎました。



そして、何より驚いたのはBリーダーの表情の変化です。


Bさんが大きな身振り手振りで積極的に発言していたのです。




最終的に、この話し合いに私は90分の時間を取りました。



みんなが大笑いしながら素晴らしいスピーチばかりでした。


人事の方も「これは会社に対する最高に有益な提案ですね!」と興奮していました。





コーチ型リーダー研修で大切にしていることは、


参加者が「聞く耳」「学ぶ心」を持ってから研修を始めることです。



研修は、「●●を得たい!」と思えてはじめて成り立つからです。



会社や自分の仕事に不満や不安を持ったままの状態で


研修が有益な時間になるわけがありません。



もし、あの暗い雰囲気のまま、


研修を続けても大きな価値を提供することはできなかったでしょう。




「こんな会社にしたい!」 


「こんな役割をはたしていたい!」




という発言や提案がたくさん出た後だったので、


みなさん、そのために必要な心構えやスキルに強くアンテナが立っていて



その後の研修はみなさんとても集中していて、盛り上がりました。




研修の最後の感想を聞く場で、Bリーダーがこんな発言をしました。



「正直に言うと、転職を考えていました。


ただこの研修で、自分が思っていた会社の嫌な面を、参加者のみなさんも


同じように感じていたことを知りとても安心しました・・・。


そして、自分が会社や仕事内容の嫌な面ばかりを見ていたことにも気づきました。


今は、転職しようと逃げていた自分を恥ずかしく思っています。


この会社でもう少し、会社をよくしていこう!という気持ちを持ち、


会社のいい面に目を向けてがんばろうと思います。」




この発言後の拍手は、私が研修をしてきた中で一番大きく鳴り響きました。




その後、この研修で撮ったビデオが、会社を大きく変えることになりました。




ビデオを見た経営層と何度かお話をしましたが、


その会話の中で、副社長が涙目で言ったこの発言を私は忘れません。




「うちにこんなに優秀な社員がたくさんいたなんて・・・知らなかった・・・」