カフェで〇〇する | デザインは筋肉だ

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勉強、仕事、リモート会議、受験勉強、宿題、ネットサーフィン、保険の勧誘、ミーティング、打ち合わせ、話し合い、思い思いの時間を過ごす。
空いてれば四人席を一人で贅沢に使ったり、横並びの席で一つの席は荷物用に使ったり、テーブルに資料や教科書を広げ思い思いの時間を過ごす。

思い思い
(めいめい自分の思うままであること。)

「カフェで○○する」自分の目的のためにコーヒーを買っているだけで、今やコーヒーはただの入場券。「コーヒーを提供する」の他に、「フードを提供する」「グッズを提供する」「お菓子を提供する」「ギフト用商品を提供する」などなど…提供する項目が例えば10になれば、当然「コーヒーを飲む」という印象は1/10になる。覚えるオペレーションが増えれば個人差が出るから、企業側は、提供される商品のクオリティを一定に保つため、組合わせて作るだけの動線を確保しマニュアル化する。そこに「スタッフの腕」は必要でなくなり、ただ作り方を覚えた人間がマニュアル通りの味を出す。

お店は、お客が「コーヒーを飲みに来ていない」ことに、売りが「コーヒー」ではなくなっていることに気づかない。気づいているかもしれないが、お客は来るから「コーヒー」をわざわざ売りにしない。時間と場所をいわば空間を提供しブランドは確立されているからと。
テンプレのような振る舞いでは会話らしい会話は生まれず、美味しいコーヒーでもないから愛着も湧かない。リピートする理由は、「カフェで○○する」ため。自分の目的達成のためにそのお店が自分にとって都合がいいからリピートしている、それこそ思い思いの理由で。

コーヒーが美味しかったからまた行こう と思いたい。