動物は吠えることでコミュニケーションを取っている。
叫んでいるだけでは、1人よがりの音の波は、聞くものにとっては五月蠅いでしかない。
叫ばなければならない気持ちでも、群れに誰かに伝えるためには吠えなければならない。
「時間が無い」緊急事態は「叫ぶ」、「時間がある」なら叫びは「吠える」に変換する。
よりコミュニケーションの取りやすい「音」に変換する。
音は空気の波。「空気を読む」は、音を読む。発せられる言葉は「音」として耳に入る。言葉の組み合わせ次第で心地よい「音」にも、心をへし折る「音」にもなる。
近くの人に届けと、叫ぶように声を出す。
遠くまで届けと、吠えるように声を出す。
心が叫んでいる。心が吠えている。近い誰かへ届けと願う思いか、遠くまで届けと願う思いか。
そんな風にして、今日も叫ぶ。今日も吠える。そうして、(…どこかで犬が吠えているな)という世界に今も生きている。