2009年の夏のあの日、わたしは病院で点滴を打っていた。14歳。連日の部活、勉強、そして、熱闘甲子園。勉強をし、部活をし、夜更かしをして夜中の熱闘甲子園を見る。気が付くと14歳の体は、夏バテという名の体調不良を起こしていた。(完全に熱闘甲子園を見るために夜更かししていたことが原因である)
夏の暑さで目が覚める。首回りは汗をかいていて気持ちが悪い。だが、点滴のおかげで体調はかなり良くなっている。「点滴ってすごいな」そう思いながら、待合室で待っているように指示され、病室を出る。
9回裏。中京大中京が10対4で日本文理に勝っている。今年の優勝は中京大中京か。花巻東に勝って、尾張のプリンス堂林を擁して、あっさりと、華々しく優勝か。サードの河合もよく打ったもんだ。そんなことを思いながら、ぼんやりとテレビを見つめていた。
しかし、あとアウト1つで中京大中京が優勝という場面、日本文理の切手くんがフォアボールで塁に出た。切手くん、、そんな珍しい名字も聞き慣れるほど高校野球を見ていた。
「粘れ、最後なんだから、がんばれ」そう、心の中で呟く。すると、ワイルドピッチ、ツーベースで一点を取り返す。その後も連打が続いた。堂林は胴上げ投手になることなく、二番手ピッチャーに交代。悔しさをにじませ、少し不貞腐れるように、ボールを渡した。
その後の詳しいことは、もう覚えていない。
だが、日本文理が粘って粘って、最後の最後まで自分たちの夏を諦めなかったこと、それだけは昨日のことのように思い出せる。
サードライナーを河合がキャッチした後、倒れ崩れるバッター、鳴り止まぬ拍手。そして、わたしが待合室で流した涙。
それが2009年の夏の思い出だ。
わたしは今も思い出す。夏バテになり、点滴をした夏のあの日、どれだけ多くの人が手に汗握りながら、あの瞬間を見つめたことか。さまざまな想いが交錯した甲子園。最高にかっこよかった。
今年も、日本文理と中京大中京が甲子園で見られる。この二校を見るたびに、2009年の夏を思い出さずにはいられない。好きだった男の子、全てをかけていた部活、岡田俊哉、菊池雄星、、全てを思い出させてくれる。
うん、日本文理、中京大中京、ありがとう。
今年も楽しみにしてます。