文庫版を読んだ後でこの本を読みました。


驚きの一言でした。曲亭馬琴は八犬伝を単なる物語として書いたのではなく、前後の歴史、特に太平記や三国志など数多くの歴史を勉強し、実在の地名をふんだんに入れて、さらに徳川家康に滅ぼされた里見氏が家康を風刺する歴史小説でした。


その解釈をこの本が見事に伝えてくれます。


百聞は一見にしかず、この本はおすすめです。八犬伝の舞台は南房総だけではなく、上総、下総、武蔵など関東に広く跨っているので、意外な驚きがあります。また、関東の里見氏の所縁のある実在の史跡の紹介もたくさんあり、本を片手に訪れてみたくなりました。