政治献金 「企業」から「個人」へ 国会議員、転換摸索

2009/09/14 08:40更新


■識者「悪印象払拭が先」

 民主党 が企業団体献金の禁止をマニフェスト政権公約 )で打ち出したことを受け、国会議員らが一般有権者から活動費を募る個人献金への転換を模索している。楽天 のインターネット献金サービスを利用する政治家は119人に増加。民主党 関係者は「政業の癒着を断つ」と意気込むが、政治献金をめぐっては、鳩山由紀夫 代表の“故人献金”問題など不透明な点が多く、「払拭(ふっしょく)せずに、カネ集めの議論だけしても意味がない」との声も出ている。(伊藤鉄平)

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記事本文の続き 楽天が今年7月にスタートしたネット献金サービスでは、ネット上の「献金」ボタンを押せば、クレジットカード決済で千円から政治家に寄付できる。現在119人の国会議員や候補者が登録し、有権者個人からの献金を募っている。サービス開始時の73人から徐々に増えた。

 楽天 によると、8月末までに同サービスを利用した政治献金は約300件あり、うち約3割が20~30代からの献金だった。政治に無関心とされる層をうまく取り込んだ格好だ。

 サービスを利用する民主党 の武正公一衆院議員(48)の事務所は「これまではパーティー券を企業に買っていただくこともあったが、(企業献金の禁止で)それもできなくなる。これからは個人献金にシフトさせなければならない」と狙いを話した。

 すでに企業献金に依存しない政治活動 を行う議員もいる。民主党 の馬淵澄夫衆院議員(49)は平成15年の初当選以降、政党交付金と個人献金のみで活動を続けてきた。友人や地元の支持者に頭を下げ、昨年は1140万円を集めた。

 「企業も下心なしには献金せず、見返りを求められることもある。政業の癒着を断ち切り、しがらみのない政治をするには脱却が必要だ」(公設秘書)と意気込むが、“台所事情”は厳しく、「事務所の維持で精いっぱい」という。馬淵氏は企業団体献金の禁止をマニフェスト に盛り込むよう提案した議員の一人だ。

 民主党マニフェスト で、政治資金規正法の改正から3年後に企業団体の献金とパーティー券の購入を禁止する▽個人献金を促進するために税制改正を行う-ことをうたっている。

 だが、“政治とカネ”の問題に詳しい日本大学の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)は「理念自体は否定しないが、献金の透明性を高めるなど、ほかにすることがあるのではないか」と提言する。

 民主党 をめぐっては、鳩山代表の“故人献金”問題や、小沢一郎 代表代行に絡む西松建設の違法献金事件などが明るみに出たばかり。

 岩井教授は「政治にカネがかかる以上、個人名でパーティー券を買い、あとで会社が補填(ほてん)するなどの抜け道はいくらでも出てくるだろう」と指摘。「一番の問題は法律でなく、法を破る違法行為。収支報告書のチェック機能を強化するなどして、現在の献金の汚れたイメージを払拭しなければ、個人献金の定着はままならないだろう」と話した。

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