コリアタウンの寿司屋にて | 独り言ち

独り言ち

私が書きたい時に書きたい事を書きたいだけ書いて書いて書き捲るプログ

待ち合わせの寿司屋『羽田寿司』へ行ってまいりました。
12時30分に待ち合わせをして、5分ほど遅刻をしてしまいました。
ゴメン、Jeni。

Jeniは既に店の中にいて、私達がすぐに分かりやすいようにドアからすぐ近くの場所に大人しく座ってた。
赤毛のポニーテールで自然にかわいい感じの白人女性だった。
入ってすぐに「mmm..., Are you Jeni?」って聞くと、すごく笑顔で「Ye~s!」って答えられた。
グリーンのTシャツに空色のジーンズ。
すぐに握手して挨拶を交わした。
ヒロちゃんも照れながら自己紹介。

Jeniは早速メニューを私達に渡して、自分は朝ご飯をさっき食べたばかりだからあまりお腹が減っていない、だから一緒に頼むのなら彼氏のために幾らか持って帰るつもりだ、と言った。
そうかそうか、と笑顔で頷きながらメニューリストを広げた私とヒロちゃんは一瞬でフリーズ……。
なぜなら、

メニューには英語と韓国語しか載ってないっっっ!!

Jeniにはなぜ私達が早く注文しないのか理解できないみたいだったので、私の拙い英語で、「ごめん、ちょっと私達、混乱しちゃって。この文字が韓国語なもんで…。」って説明すると初めて、「あ、ほんと!?それてっきり日本語だと勘違いしてて!」と驚いていた。
で、先にアイスティーを注文しといて、それが来るまでの間に英語を辿りながらメニューを見てたんだけど、「Sushi」って書いてあるヤツがきっと「にぎり」のことなんだろうと踏んで、私はSushi付きのランチを選んだ。
寿司ネタも「Tuna(マグロ)」や「Yellowtail(ハマチ)」までは分かったけど、後の単語はもうなんの魚か分からん。。。
東洋人女性が注文を取りにきたので、「ニホンゴヲハナセマスカ?」って日本語で尋ねたら、(?_?)って顔をされたんですかさず「Can you speak Japanese?」って聞き直した。
彼女は不思議そうな顔で「No.(?)」と言った。
しかたないんで、メニューを指差しながら頼んでたら結局Jeniが英語で上手く注文してくれた。

私達のテーブルに気まず~い空気が流れた。
この寿司屋で会う事を提案したのはJeniだけど、できれば慣れた仕草で注文したかったし、今になってよく考えるとせっかく寿司屋に行ったんだからウニやイクラの軍艦巻とかも食べたかった。(メニューにあったかどうか知らんけど)
私は勝手にウェイトレスに日本人かどうかなんて尋ねたりして、せっかくこの店を提案してくれたJeniに少し失礼なコトをしたかな?と思って、「これも私達にはいい経験です。」って言うとJeniも同意してくれた。
私もヒロちゃんもJeniも必死でその場の雰囲気を早くどうにかしたかったのかも知れない。
私は寿司屋にしてはちょっと不自然なくらいに天井が高くて広過ぎる店内を見渡して、「We are exciting!」って言った。

食事が届くまでの間、Jeniにいくつか質問をした。
彼女の7歳になる娘は『ケイトリン』って名前で、元気で活発なんだそう。
彼女が住んでいるのは Gardena(ガーデナ)ってトコで、私が住んでる辺りから約40kmほど南。
私はハリウッド北南に伸びてるGardner Ave.(ガードナー アヴェニュー)の辺りだと思い違いをしてた。

これは後で部屋に帰って私が「地球の歩き方」を読み直して改めて知ったことなんだけど、ロスアンゼルスってどこからどこまでかってーと、単にL.Aつっても指すエリアは様々らしい。
『Los Angeles City(市)』を指すのであれば、ハリウッドやサンタモニカなどのほかの市は含まれないんだって。
『Los Angeles County(郡)』と呼ばれるエリアまで広げれば、ビバリーヒルズやサンタモニカ、ロングビーチなどかなり広い地域になるけど、このエリアには、まだディズニーランド・リゾートエリアは入らない。
さらに地域を広げると、『Greater Los Angeles』と呼ばれる広域になる。
ロスアンゼルスカウンティの南部、サンゲープリエル山脈より南から、オレンジカウンティの北部、ラグナビーチ周辺までを含んだエリアのことを指してて、一般には単に『ロスアンゼルス(or L.A)っていうと、この『Greater Los Angeles』を指すことが多いらしい。
どおりでやたら遠いLos Angeles City以外の場所からもランゲージ・エクスチェンジの申し込みがあったワケだ。(納得)

Jeniの職場は、Wilshire Blvd.をサンタモニカに向かってバスでまっすぐ西に行くとすぐにある。
仕事は、英語の説明が難しすぎて結局のところ何をやってんのかあまり分からんかった。
そして先述した通り、Jeniの彼氏は日本人とアメリカ人のハーフ。
でも目の付近以外はまるっきりアメリカ人で、ほとんど日本人には見えないのだそう。
彼氏の顔はほどよく日焼けしているらしい。
Jeniは、彼氏と先日メキシコへ小旅行に行った際に、彼氏が現地人と間違われてよくスペイン語で話しかけられたくらい東洋人には見えないと言った。
ヒロちゃんが私に「彼氏の写真とかあるかな。」って聞いたので、Jeniに英語で聞いてみると、一枚くらいはあるかも知れないと言って携帯とかバックパックをあさり始めたけど結局見つかんなくて、「彼氏の写真を一枚すら持ってないなんて、私ってなんて彼女なのかしら!」って言って諦めた。

料理が運ばれてきて、テーブルの上にシートを敷いて、ナプキンとみそ汁とサラダと漬け物が並べられた。
ヒロちゃんが小声でポツリ、「ど~せ~っちゅ~ねん。」。
私はプッと吹き出しそうになりながら、「じゃ、先にお味噌汁から頂こうか。」と言った。
割り箸を割った時に丁度良い機会だと思って、普段はしないんだけど、手を合わせて「いただきます。」と言った素振りを見せた。
Jeniが「いま何て言ったの?」ってすぐ食いついてきたので、「イタダキマス」って彼女に言うと、彼女は忘れないように小さなメモ帳に書き始めた。
ヒロちゃんが、「 I T A D A K I M A S U. 」ってアルファベットを言って、私が発音のリズムを整えた。
そしてみんなで手を合わせて、「いただきます。」
よしよし、らしくなってきたぞ。
メインのお寿司も運ばれてきた。
ヒロちゃんが、「おいしぃ~!」って言ったんで、Jeniに、ヒロちゃんは日本食が恋しくてこの時を楽しみにしてたんだよ、って教えた。
Jeniは、アメリカに来ても日本食が恋しいのは日本食が素晴らしい証拠だって言ってた。
Jeniの彼氏と娘は「ざるそば」が大好きらしい。
私がJeniに「どれくらい日本語を知っていますか?」と尋ねると、Jeniは、「アリガトウ」と、たったいま教えてもらった「イタダキマス」の二語しか知らないと答えた。
大学で日本語の授業があったんで、すごく受けたかったけどあまりにも人気な授業で生徒が多すぎて、上手く授業を受けることができなかったのだそうだ。
私は日本で大学も出てないし、アメリカの大学の授業がどういうものなのか全く知らないので想像もできない。

ヒロちゃんが頼んだお弁当に付いてた白ご飯と巻き寿司を見て、「こんなに米いらんし。」って言ったんで、私が「あぁ、そやな。」って言うと Jeniの視線を感じた。
私は下手な英語で喋りもって辞書を引きながら、「普段日本人は一食に一種類の穀物しか食べない。」って説明した。
でも「穀物」って英単語を探したらいっぱい出て来たんで、電子辞書をJeniに見せて、「Which's this word mean?」
って聞くと、Jeniは日本語の「こくもつ(穀物)」ってトコを指差して、「これって『言葉(Word)』って意味なの?」って聞き返した。
ちょっと手間取ったけど、それは『こくもつ(穀物)』って単語だと言うことと、日本の書き取りには「ひらがな」と「カタカナ」と「漢字」があるという説明をして、『ありがとう』って言う言葉をそれぞれの文字でJeniのメモ帳に書いた。
その後、私が板の上の米粒を箸で拾って食べてるところで、またもやJeniの熱い視線を感じたんで、「いくらかの日本人は母親に『ご飯粒を残すとお百姓さんに悪い』って教わるんだよ。」って説明したら納得してた。

楽しく会話も弾んで食事も済んだので、私は早く食器を下げてもらいたいと思ってウェイトレスを呼ぼうと少し手を挙げたが誰も気付く気配がない。
私が大声で「スミマセ~ン。」って言っても気付かない。
「Hi!」とか「Hey!」とか言っても気付かない。
何度かしてやっと気付いて、不思議そうに「Can I help?」って言ってやって来た。
用が無かったらわざわざ呼んだりせーへんのじゃいっっっ!
でも私は咄嗟に「これ下げてもらえます?」って言えなくて、「How do you say that, …take? Take off???」とかワケの分からんことをほざいた。
Jeniがすぐに察してくれて英語で説明してくれた。
「And warter, please.」って頼むと発音がまずかったらしく、これもJeniが言い直してくれた。
ウェイトレスが食器を持って去ると、私は無礼を詫びて、「ごめんなさい。大声を出すのは失礼なのは知ってるんだけど、普通、日本じゃほとんどのレストランは客が必要としてる時にすぐ気付いてくれる。でもたまにやっぱり悪いレストランもあるからそういう時は今みたいに大きな声で呼ぶんだ。」って言い訳した。
Jeniが「それは以前聞いたことがある、日本食レストランって大抵どこでもテーブルに『なにか足りないものはないですか?』ってよく来てくれるんだよね。」って言ってくれた。

水が運ばれてきたが私の分だけだった。
気ィきかして皆の分「上がり」くらい出さんかいっ!!! なんで、Green Teaがメニューに入ってんねんっ! しかもなんでこんな高いねんっ!
……などと心の奥で突っ込みも空しく…。

ヒロちゃんも食器を下げて欲しげに見えたんで私はヒロちゃんに、「もうどうせ来ないだろうし、横にどけておいた方がいいよ。」って言った。
Jeniがそれを見てまた何を話してるんだろうって顔をしてたんで、ヒロちゃんに言ったことをそのまま英語で伝えた。
Jeniは持ち帰り用のパックを貰って巻き寿司をそれに入れると、目の前の食器を自分で片付けて横にどけた。
私はこれでやっと本題に入れると思って、バッグから日本語のテキストを出した。
そしてJeniに、この本を使ってレッスンしていこうと言うことと、日本語のテキストはアメリカじゃすごく高いし私がこの本のコピーをJeniに用意するからJeniはわざわざ本を買う必要ないって言った。
Jeniは了解しつつも、テキストのタイトルをメモして、できたら図書館で探して自主勉強したいとも言っていた。
私は彼女に、日本語の話し言葉は英会話より簡単だから心配する必要ないよって言った。
そして五十音の発音だけ一読させてみたけど、彼女はなかなか飲み込みが早くて頭が良いのでこれならすぐ覚えてくれるだろうと期待できた。

Jeniは私に、英語のテキストは何か持ってるかって聞いた。
私は英会話の良いテキストを持って無かったんで返答に困ってたら、ヒロちゃんが「私のテキストを貸しましょうか?」って提案してくれた。
彼女は私と違う学校へ通っていて、すごく良さそうな英会話のテキストを持ってたから、それだとスゴく嬉しい。
私がJeniに、「I borrow her.」ってヒロちゃんを指差して、すぐ「No! I will borrow it from her.」って言い直した。
Jeniは笑顔で「Perfect!!」って言ってくれた。
苦笑いして汗かいちゃったよ。
ヒロちゃん借りてどないすんねんっ。

職場も私が住んでるホテルからバスで一本だし、もうすぐメトロの定期券が手に入るから、Jeniの便利な時間と場所でレッスンしましょって提案したら、Jeniは職場のすぐ前にある『Coffee Beans』ってカフェにしましょってコトで。
第一回目は、今度の火曜日(7日)の5:45pmから一時間ずつ日本語のレッスンと英語のレッスン。
Jeniは、それくらいだったら妹が娘の面倒を見てくれるから大丈夫だって言ってた。
割とすんなり話も決まって、Jeniが清算をしようとウェイトレスを呼んだ。
私が物はついでだと思って、ウェイトレスに「ここに日本人はいますか?」って聞いたら、怪訝そうな顔で「どうして?」って聞かれたので、私は肩をすくめながら「だって、ここは日本食レストランでしょ?」って言った。
ウェイトレスは日本語で「ニホンジン?」って聞いて、私がそうだと答えると彼女は英語で、「ここには日本人は一人もいない。みんな韓国人です。」って答えた。
私は「そうか、ありがとう。」と笑った。
Jeniは、ここのウェイトレスはなんてバカな質問をするんだって呆れて言った。
私は、まぁ日本でも韓国料理屋さんとか普通に日本人が経営してたりするし、こういうコトもあるんだろうと思った。(つーか、思うようにした)

清算は三人で$46.98を割り勘。
アメリカにある寿司屋を考えると、かなりリーズナブルな値段。
ホントの寿司レストランに行くと、にぎり一貫で$30取られるとこもあるそうだ。
でも、私が割り勘の計算を間違えて一人$12.30ずつ集めて、私が最後にまとめて全部払ったんで私一番多めに出してしまった。
ま、逆になるよりまだ良かったけど。
Jeniは数学が得意だって言ってたから、私の間違いには気付いてただろうな。
払う時も「そんなに気を使わなくてもいいのに。」って言ってたし。
気を使ってるつもりなかったけど、結果的にそうなっちゃったね。

最後にお店を出て、握手を交わしたらJeniが「『Have a nice day!』ってどう言うの?」って尋ねたから、「日本にはそう言う習慣はないんだよ。普段言うのは『See you!』くらいだね。」って答えて、「マタネ。」って教えた。
まぁ、「どうぞ、よい一日を。」って言えなくもないけど、あそこで説明するにはまだ早過ぎるかも。
とにかく、すべてが良い経験で、エキサイティングな一日ですたっっっ。
予は満足じゃぞぇ。(^-^)