★ミケーレ・ザッリッロ (vm) Michele Zarrillo
本名アンドレア・ミケーレ・ザッリッロ (Andrea Michele Zarrillo) 1957年6月13日ローマ生、自作自演歌手、ギタリスト、ピアニスト。
芸名はミケーレ・ザッリッロの他アンドレア・ザッリッロ (Andrea Zarrillo)、ザッリッロ (Zarrillo)を使用した時期があります。
2才年上の兄は後にセミラミス(Semiramis)を結成するキーボーディストのマウリツィオ・ザッリッロ (Maurizio Zarrillo)です。
活動期間:1972年 – 現在
所属レコード会社:Trident (セミラミスのメンバーとして),Aris, CBS, Fonit Cetra, RTI Music, Sony Music, Universal
サンレモ音楽祭出場13回:1981年8位,82年参加,87年新人部門優勝,88年13位,92年11位,94年5位,96年11位,2001年4位、02年11位,06年,08年15位,17年11位,20年18位
サンレモ音楽祭出品14曲:77年入賞曲(ダニエラ・ダヴォリ“あなたなら”)と自己出場曲13曲
オフィシャル・サイト:http://www.michelezarrillo.info/site/#
ナポリとバリの中間にある山中の小都市リオネーロ・イン・ヴルトゥレ(Rionero in Vulture)出身の父とナポリの南東20kmにある小さな町コルバーラ(Corbara)出身の母の間次男として、ローマ東部のチェントチェッレ地区で生まれました。
ミケーレの音楽のキャリアはピッコロ・ロード(I Piccoli Lord)というポップ・グループ参加することから始まります。
日本でもCDが発売されているイタリアの伝説的プログレ・バンド、セミラミスの話から始まります。
1970年兄マウリツィオ・ザッリッロと彼の二人の従兄弟マルチェロ・レッダヴィデ(Marcello Reddavide)がベースを、メンモ・プルヴァーノ(Memmo Pulvano)がドラムスをして、それにヴォーカルのマウリツィオ・マコス(Maurizio Macos)が加わってイポテージ・ディ・ウナ・メタモルフォージ(Ipotesi di una Metamorfosi)というバンドを結成しました。
イポテージ・ディ・ウナ・メタモルフォージの結成メンバー
・マウリツィオ・ザッリッロ (Maurizio Zarrillo):キーボード、在籍1970-1972, 2014, 2017年;ヴォーカル (1972年)
・マルチェロ・レッダヴィデ(Marcello Reddavide):ベース、在籍1970-1974年
・メンモ・プルヴァーノ(Memmo Pulvano):ドラムス、在籍1970-1972年
・マウリツィオ・マコス(Maurizio Macos):ヴォーカル、在籍1970-1971年
71年にヴォーカルのマコスが退団し、翌72年マウリツィオ・ザッリッロの弟ミケーレ・ザッリッロは既にピッコロ・ロードで音楽活動をしていましたが、ヴォーカル、ギターで加入しました。これを機にバンド名もセミラミスに変更しました。
しかしドラムスのプルヴァーノが退団、代わってパオロ・ファエンツァ(Paolo Faenza)がドラムスとして、またアコースティック・ギターのジャンピエロ・アルテジャーニ(Giampiero Artegiani)が加入します。
セミラミス(1972年)の構成メンバー
・マウリツィオ・ザッリッロ (Maurizio Zarrillo):キーボード、在籍1970-1972, 2014, 2017年;ヴォーカル (1972年)
・マルチェロ・レッダヴィデ(Marcello Reddavide):ベース、在籍1970-1974年
・ミケーレ・ザッリッロ (Michele Zarrillo):ヴォーカル、ギター、在籍1972-1974年
・パオロ・ファエンツァ(Paolo Faenza):ドラムス、在籍1972-1974年, 2014年-現在
・ジャンピエロ・アルテジャーニ(Giampiero Artegiani):アコースティック・ギター、在籍1972-1974年, 2014年, 2017-2019年
兄マウリツィオ・ザッリッロが脱退後、セミラミスは4人編成のバンドとして、彼ら唯一のスタジオ録音アルバム「Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ)」を翌73年トライデント・レコード(Trident)から発売します。
TRI-1004 (1973年 Trident – Fonit Cetra) Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ)
VM-007 (1989年 Vinyl Magic – Vinyl Magic) CD Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ)
TRI-1004 (2001年 Trident –) CD Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [8 01615 8004 2 6]
TRI-1004 (200?年 Trident – btf.it) CD Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [8 01615 8004 2 6]
TRI-1004(2001CD) TRI-1004 (200?CD)
TRI-1004 (2005年 Trident – btf.it) Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [Green Vinyl]
TRI-1004 (2006年 Trident – btf.it) CD Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ
TRI-1004 (2012年 Trident – btf.it) Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [Red Vinyl 8 016158 1004 4 0]
TRI-1004 (2005) TRI-1004 (2006CD) TRI-1004 (2012)
TRI-1004 (2017年 Trident – btf.it) Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [Blue Vinyl 8 016158100440]
TRI-1004 (2019年 Trident – btf.it) Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [Green Vinyl 8 016158100440]
TRI-1004 (2021年 Trident – btf.it) Dedicato A Frazz (セミラミス/フラッツに捧ぐ) [Red Vinyl 8 016158100457]
TRI-1004 (2017) TRI-1004 (2019) TRI-1004 (2021)
1.La Bottega Del Rigattiere (古物商の家)
2.Luna Park (ルナ・パーク)
3.Uno Zoo Di Vetro (ガラスの動物園)
4.Per Una Strada Affollata (混雑した道を通って)
5.Dietro Una Porta Di Carta (紙細工の門のうしろに)
6.Frazz (フラッツ)
7.Clown (道化師)
商業的な成功は出来ませんでしたが、70年代多くのプログレ・バンドの中で、ゴードン・ファゲッター(Gordon Faggetter)のジャケット・カヴァーの強烈な印象も伴ってイタリア・プログレ・マニアのレジェンドの一つとなりました。
アルバム制作後、74年レッダヴィデとミケーレ・ザッリッロがバンドを離脱、二人の代わりにキーボードのジュリオ・フェラーリン(Julio Ferrarin)とベースのトニー・・マッサルット(Tony Massarutto).が入りましたが、バンドは直ぐに解散してしまいました。
解散と共にバンドを去ったジャンピエロ・アルテジャーニもソロ歌手となり84、86年のサンレモ音楽祭に出場、ソング・ライターとしては88年サンレモ音楽祭ではマッシーモ・ラニエリが歌った“愛を失う(Perdere L'Amore)”、ミケ-レ・ザッリッロが歌った“晴れた日に(Come Un Giorno Di Sole)”が15位になるなど活躍を続けます。
アルテジャーニのことは88年サンレモ音楽祭の後に書くことにして、ミケーレ・ザッリッロの話に戻しましょう。
セミラミス解散後1年ほど消息がありませんでしたが、76年アリス(Aris)からソロ歌手アンドレア・ザッリッロ(Andrea Zarrillo)としてデビューし、シングル盤“Maledetta Signora”を出しました。
アリスは74年ローマで映画「続夕陽のガンマン」などの映画プロデューサーをしているアルド・ポミリア(Aldo Pomilia)と妻でキューバ出身のダンサー、映画女優のチェロ・アロンソ(CheloAlonso)が設立したレコード会社です。
スター歌手は77年サンレモ音楽祭に出場したダニエラ・ダヴォリ (Daniela Davoli)で、ダニエラが76年に出した3枚目のシングル盤のB面曲“Ma Perché Non Ci Sei”をザッリッロが作っていますし、彼女のサンレモ出場曲も彼が曲作りに参加しています。
AN- 410 (1976年 Aris – Aris) Maledetta Signora/E Poi St'Amore Matto (come Andrea Zarrillo)
AN- 426 (1976年 Aris – Aris) Il Vero Amore/I Miei Cari Sentimenti (come Andrea Zarrillo)
アリスでもう1枚シングル盤” Il Vero Amore”を出しました。彼の名前は注目されることはなく、2年間の沈黙の時期が経過します。
79年ほぼ本名のミケーレ・ザッリッロに変更して“シングル盤” Indietro No”でソロ歌手再デビューをCBSからしました。この曲で79年カストロ・カーロ新人コンテストで優勝しています。
またトト・サヴィオ(Toto Savio)と共作でオルネラ・ヴァノーニに“女の処方箋(Ricetta Di Donna)”を(国内盤のクレジットには載っていませんが)提供し、またレナート・ゼロ(Renato Zero)に“Sesso O Esse”をゼロと共作して歌ってもらいました。
7277(CBS) (1979 年 CBS – CGD Messaggerie Musicali) Indietro No/Quanto
8520(CBS) (1980 年 CBS – CGD Messaggerie Musicali) Più Forte/Troppo Amore
80年にもう一枚シングル盤”Più Forte”を出します。79年のカストロ・カーロで優勝者は本来80年のサンレモ音楽祭に出場できるはずですが、時代の流れかコンテストの力が無くなり必ずサンレモ音楽祭に出場できなくなっていました。
ミケーレ・ザッリッロの場合は幸運だったようで、1年遅れでしたが、81年に“自由の星”で出場し、入賞(実質は8位)しました。
9532(CBS) (1981 年 CBS – CBS Dischi) Su Quel Pianeta Libero (自由の星)/Strano
CBS–84701 (1981年 CBS – CBS Dischi) Sarabanda
1.Sarabanda
2.Non E' Finita
3.Dormi
4.Indietro No
5.Quanto
6.Su Quel Pianeta Libero (自由の星)
7.Strano
8.Stop... Non T'Amo Più
9.Troppo Amore
10.Più Forte
サンレモ音楽祭に入賞しファースト・アルバム「Sarabanda」が制作されました。”.Indietro No”の作詞はジャンカルロ・ビガッツィ(Giancarlo Bigazzi)、それ以外はパオロ・アメリゴ・カッセッラ(Amerigo Paolo Cassella)、作曲は彼自身とトト・サヴィオがしています。
A-1226(CBS) (1981年 CBS – CBS Dischi) Non È Finita/Sarabanda
ミケーレ・ザッリッロの国内盤 (セミラミスのメンバーとして)
MAR-96240 (1996年7月 BELLE ANTIQUE – マーキー) CD セミラミス/フラッツに捧ぐ (Dedicato A Frazz)
ARC-7003 (2002年4月 ARCA'NGELO - ディスク・ユニオン(ワーナー・ミュ-ジック・ジャパン)) CD セミラミス/フラッツに捧ぐ (Dedicato A Frazz)
*BELLE-111818 (2011年4月BELLE ANTIQUE – マーキー) CD セミラミス/フラッツに捧ぐ (Dedicato A Frazz)
1.古物商の家 (LA BOTTEGA DEL RIGATTIERE)
2.ルナ・パ-ク (LUNA PARK)
3.ガラスの動物園 (UNO ZOO DI VETRO)
4.混雑した道を通って (PER UNA STRADA AFFOLATA)
5.紙細工の門のうしろに (DIETRO UNA PORTA DI CARTA)
6.フラッツ (FRAZZ)
7.道化師 (CLOWN)
MAR-96240 ARC-7003 BELLE-111818
ミケーレ・ザッリッロ 2は1982年サンレモ音楽祭の後に、ジャンピエロ・アルテジャーニ2は1984年サンレモ音楽祭の後に続きます