★リノ・ガエターノ (vm) Rino Gaetano
本名サルヴァトーレ・アントニオ・ガエターノ (Salvatore Antonio Gaetano)、1950年10月29日長靴の指の付け根部分にある小都市クロトーネ(Crotone)生、1981年6月2日ロ―マ没は歌手、カンタウトゥーリ。

活動期間:1973 – 1981
所属レコード会社:It, RCA Italiana
サンレモ音楽祭出場1回:1978年第3位
サンレモ音楽祭出品2曲:1978年自己出場曲、2007年入賞
公式サイト:
第二次世界大戦でリーノ・ガエターノ家族が疎開していたヴェネチアの郊外ドーロ(Dolo)で姉アンナ(Anna)が生まれ、両親は戦後故郷のクロトーネに戻りました。1950年10月、そこでサルヴァトーレが生まれました。姉アンナは小さな弟をリノと呼びます。
故郷のカラブレーゼには10才になるまでしか住んでおらず、60年仕事の関係で両親はと共にローマに引越しました。その後両親が共働きしていたこともあり、ローマの北50kmにあるテルニにあるナルニ・イエスの御心神聖小学校に預けられます。
67年ガエターノはローマに中心部に近い北東地区、第3区チモーネ通(Via Cimone)のセンピオーネ広場(PiazzaSempione)周辺に戻り、70年にはノメンターナ・ヌオーヴァ通(via Nomentana Nuova)に引越しました。
翌71年友達と四人編成ノバンドで当時流行っていた曲をカヴァーするイ・クロウンクス(I Krounks)を結成しました。読み方も意味も良く判りません。
ガエターノはベース担当で作詞・作曲も始めました。この頃目標としてカヴァーしていたのはエンツォ・ヤンナッチ(Enzo Jannacci)、ファブリツィオ・デ・アンドレ(FabrizioDe André)、アドリアーノ・チェレンターノ(Adriano Celentano)、グーフィ(iGufi)、ジャン・ピエレッティ (Gian Pieretti)、リッキー・ジャンコ(RickyGianco)達やボブ・ディラン(Bob Dylan)、ビートルズ(TheBeatles)であったようです。
ガエターノはアマチュア・ロック・バンドをやりながら69年頃から若いアーティストが実力を試す演劇の劇場フォーク・スタディオ(Il Folkstudio)へ出入りするようになりました。ここにはアントネッロ・ヴェンディッティ(AntonelloVenditti )、フランチェスコ・デ・グレゴリ (Francesco De Gregori)も出演しており、リノはこの場でも強烈な皮肉な歌を歌い俳優兼歌手として異彩を放っていたようです。
70年から71年にかけて、ガエターノはキャヴァレーに出演して歌を歌いながら、演劇の俳優として劇場で軽演劇を演じていました。
一方彼は会計学校を卒業し、家族のために銀行員として勤める事になっていました。しかしリノは歌と演劇が諦めきれず、父と話し合いましたが歌手や俳優になって成功することはないと父は反対していました。72年妥協点としてイタリアの音楽著作権や興行権を管理する団体シアエ(SIAE)に就職しました。ここでレコード会社のイト(It)のオーナーで大プロディーサーのヴィンチェンツォ・ミコッチ(VincenzoMicocci)と巡り合います。
この年プロドゥットリ・アッソチアーティ(Produttori Associati)で初めて“Jacqueline”と“La ballata di Renzo”を吹込みましたが、発売されることはありませんでした。
73年ミコッチのイトからカンマムリス(Kammamuri's)としてレコード・デビューをします。曲はロスヴェモン(RosVeMon)がプロディースする“I Love You Maryanna”/“Jaqueline”でした。歌手名もプロデューサーの名前も相当ユニークです。ロスヴェモンはアウレリオ・ロッジット(Aurelio Rossitto)、アントネロ・ヴェンディッテ (AntonelloVenditti)、ピエロ・モンタナーリ(PieroMontanari)三人の頭文字からとったペンネームです。
デビュー曲はコミッカルな歌詞ですが、グロテスクさ、愚かさとナンセンスに特徴づけられるものでした。ガエターノは政治を批判する内容で政治的な干渉や圧力を受けることを嫌ったようで、もし彼が早死にすることがなければ歌手の分類でいくとエンツォ・ヤンナッチな歌手になたと思われます。
ZT-7047 (1973年5月 It – RCA Italiana) I Love YouMaryanna/Jaqueline (come Kammamuri's)
ZT-7047 (2016年 RCA – Sony Music Entertainment Italy) I Love YouMaryanna/Jaqueline (come Kammamuri's)



ZT-7047 88843-01853・1 (ZT-7047)
74年は重要な年となりました。ブルーノ・フランチェスエスケッリ(Bruno Franceschelli)と出会い、どうもノン・クレジットですが1st.アルバム「Ingresso Libero(「入場無料」の意味)」に歌詞を提供してもらっています。ここで初めてリノ・ガエターノの芸名を使っており、シングル・カットしたフランチェスケッリが歌詞を提供した“Tu,Forse Non Essenzialmente Tu”はマイナー・ヒットをして小さな成功をえました。
ZT-7057 (1974年 It – RCA Italiana) Tu, Forse Non Essenzialmente Tu/I TuoiOcchi Sono Pieni Di Sale



ZT-7057 ZSLT-70024 74321-14971・2
ZSLT-70024 (1974年7月 It – RCA Italiana) Ingresso Libero
74321-14971・2 (1994年3月 RCA – BMG Ariola) CD Ingresso Libero [0743211 497121]
88843-01853・1 (2015年3月 RCA – Sony Music EntertainmentItaly) Ingresso Libero [*Limited edition 500 copies 888430185319]
17SC-0012 (2017年 RCA – Sony Music) CD Ingresso Libero
1.Tu, Forse NonEssenzialmente Tu
2.Ad Esempio A MePiace Il Sud (みどりの園)
3.AD 4000 D.C.
4.A Khatmandu
5.Supponiamo Un Amore
6.E La Vecchia SaltaCon L'Asta
7.Agapito Malteni IlFerroviere
8.I Tuoi Occhi SonoPieni Di Sale
9.L'Operaio Della Fiat«La 1100»
* I Love You Marianna
*Jaqueline
88843-01853・1
17SC-0012


同年RCAイタリアーナのニコラ・ディ・バリ()に3曲提供しています。ガエターノが作詞・作曲した“みどりの園(Ad Esempio A Me Piace Il Sud)”、ディ・バリと共作した“この素晴らしき愛(Questo Amore Tanto Grande)”はディ・バリのアルバム「愛の映像(TI FA BELLA L'AMORE)」に収録されています。
75年に出したシングル曲“Ma Il Cielo È SemprePiù Blu”は2つのパートニに別れた非定形型の曲でした。初めて週間ランキングに入り最高20位、在位9週間で商業的成功をした曲です。ガエターノはアントネロ・ヴェンディッテのようなコンサート・ツアーを行いました。
ZT-7060 (1975年2月 It – RCA Italiana) Ma Il Cielo È SemprePiù Blu/Seconda Parte
ZT-7060 (2013年 It – Sony Music Entertainment Italy) MaIl Cielo È Sempre Più Blu/Seconda Parte [190758334172]
190758-3341・7 (2018年 RCA – SonyMusic Entertainment Italy) Ma Il Cielo È Sempre Più Blu/Seconda Parte [1 9075833417 2]



ZT-7060 190758-3341・7
ZT-7062 (1976年 It – RCA Italiana) Mio Fratello È Figlio Unico (兄弟は一人息子)/BertaFilava (紡ぎ女工ベルタ)
ZT-7062
ZT-7064


ZT-7064 (1976年 It – RCA Italiana) Mio Fratello È Figlio Unico (兄弟は一人息子)/Berta Filava (紡ぎ女工ベルタ)
2nd.アルバムは「兄弟は一人息子」と題したテーマ曲と同名のアルバムをリリースし、シングル盤は2ヴァージョン出ています。このアルバムは「孤独」と「疎外」を扱っており、音楽的にはシタール、バンジョー、マンドリンを使用し、より複雑で成熟したアルバムに仕立てました。”紡ぎ女工ベルタ”は週間ランキング最高位17位(在位14週)と息の長いヒットとなりました。



ZSLT-70029 74321-14970・2 74321-76540・2
ZSLT-70029 (1976年7月 It – RCAItaliana) Mio Fratello È Figlio Unico
74321-14970・2 (1976年7月 RCA ––BMG Ariola) CD Mio Fratello È Figlio Unico
74321-76540・2 (2001年 RCA – BMG Ricordi) CD MioFratello È Figlio Unico [0 743217 654023]
88843-00474・1 (2013年 RCA – Sony Music) Mio Fratello ÈFiglio Unico [88843004741 Limited Edition 500]
88843-00474・1 (2015年 RCA – Sony Music) Mio Fratello ÈFiglio Unico [88843004741 Limited Edition 500]
88985-36128・2 (2016年 RCA – SonyMusic Entertainment (Italy)) CD Mio Fratello È Figlio Unico [88985361282-11]
17SC-0011 (2017年 RCA – Sony Music) CD Mio Fratello È Figlio Unico[88985361282-11]


1.Mio Fratello ÈFiglio Unico (兄弟は一人息子)
2.Sfiorivano Le Viole
3.Glu Glu
4.Cogli La RosaD'Amore
5.Berta Filava (紡ぎ女工ベルタ)
6.Rosita
7.Al Compleanno DellaZia Rosina
8.La Zappa...IlTridente Il Rastrello La Forca L'Aratro Il Falcetto Il Crivello La Vanga
88985-36128・2
17SC-0011


アルバム発売後バックバンドのペリジェオ(i Perigeo)を伴ってイト主催のツアーに出かけました。このツアーはファンや批評家は納得していませんでした。
翌77年3rd.アルバム「アイーダ」を出します。ヴェルディ(GiuseppeVerdi)のオペラのタイトルを使ったのはイタリア女性とイタリアを象徴し、アイーダのイデアでガエターノの人生を振り返る意図でした。アルバム・タイトル曲“Aida”がシングル・カットされました。
ZBT-7078 (1977年 It – RCA Italiana) Aida/Escluso Il Cane
ZBT-7078
ZBT-7081


ZBT-7081 (1977年 It – RCA Italiana) Aida/Spendi Spandi Effendi



ZPLT-34016 74321-14969・2 74321-91861・2
ZPLT-34016 (1977年7月 It – RCA Italiana) Aida
74321-14969・2 (1994年3月 RCA – BMGAriola) CD Aida
74321-91861・2 (2004年 RCA – BMG Ariola) CD Aida [743219186126]
88843-05231・1 (2014年 RCA – Sony Music) LP Aida[888430523111 Limited Edition 500]
17SC-0013 (2017年 RCA – Sony Music) CD Aida [88985361282-11]
88985-44330・2 (2017年7月 RCA – Sony Music Entertainment Italy) 2CD Aida [# 889854433024]
88985-44332・1 (2017年 RCA – Sony Music EntertainmentItaly) LP Aida [0889854433215]
88985-44333・1 (2017年 RCA – Sony Music EntertainmentItaly) LP+Single Aida [*Limited edition 500 copies 889854433314]
88985-44330・2 (Degipack) 88985-44332・1 88985-44333・1



88843-05231・1 17SC-0013 88985-44330・2
1.Aida
2.Fontana Chiara
3.Spendi SpandiEffendi
4.Sei Ottavi
5.Escluso Il Cane
6.La Festa Di Maria
7.Rare Tracce
8.Standard
9.Ok Papà
*Aida [GianlucaGrignani]
*Escluso Il Cane[Fabrizio Moro]
Aida / GianlucaGrignani
# BONUSDISC CON LIVE e le COVER INEDITE di Gianluca Grignani, Fabrizio Moro, Briga
2-1.EsclusoIl Cane [Fabrizio Moro]
2-2.SpendiSpandi Effendi [Briga]
2-3.EsclusoIl Cane [Tricarico]
2-4.Aida(live) [Rino Gaetano & Tour In Città Band]
2-5.EsclusoIl Cane (live) [Rino Gaetano & I Crash]
2-6.SpendiSpandi Effendi (live) [Rino Gaetano & I Crash]
2-7.Aida(live) [Rino Gaetano & I Crash]
2-8.SpendiSpandi Effendi (live) [Rino Gaetano]
2-9.Aida(q Concert) [Riccardo Cocciante]



同年今度はバックバンドに新興のクラッシュ(I Crash)を伴ってツアーを行いました。
ガエターノの発見者ヴィンチェンツォ・ミコッチの直属上司でRCAイタリアーナの総帥(エンニオ・モリス(EnnioMelis)が彼の才能を認めサンレモ音楽祭の出場を目論見ます。まずはモリスが発案したフェスティヴァルバールの出場を匂わせ、周囲とリノの抵抗感を薄めます。
リノ・ガエターノの国内盤は次回です
リノ・ガエターノ 2は次回にに続きます