の続きです。
★カルメン・ヴィラーニ (vf) CARMENVILLANI
1944年5月21日ボローニャの北北西30kmにある町ラヴァリーノ(Ravarino)生、歌手、女優、ショウ・ガール。

所属レコード会社:Bluebell Records, Fonit Cetra,RCA Italiana, Interfonia, Phoenix (TargaItaliana)
サンレモ音楽祭4回出場: 1967年11位、69年11位、70年12位、71年6位入賞
1969年サンレモ音楽祭で“ピッコラ・ピッコラ”を歌い11位入賞をし、曲もヒットして彼女の絶頂期を迎えました。4回の出場ですべて入賞したという実績は立派なものですが、彼女のための曲というのは“ピッコラ・ピッコラ”だけだったと言えます。
年が変わり70年サンレモ音楽祭ではファウスト・レアーリの自作自演曲“ヒッピー”で3度目の入賞をしましたが、曲自体は年間ヒット100には入りませんでした。
SP-1425 (1970年 Cetra – Fonit Cetra) Hippy (ヒッピー)/Uomopiangi
SP-1425
SP-1439
SP-1439
SP-1439 (1970年9月 Cetra – Fonit Cetra) L'amore è comeun bimbo/Borsalino (ボルサリーノ)
A面は珍しくカンタウトゥーリ、ジノ・パオーリとウンベルト・ビンディの作った“L'amore è come un bimbo”、カンツォニッシマ第1回戦で歌いっています。第2回戦は“二つのすみれ(Due Viole In Un Bicchiere)” でしたが決勝には進めませんでした。B面はアラン・ドロン製作・主演の映画「ボルサリーノ」の主題歌を歌いました。これがチェトラで最後のシングル盤です。
71年、RCAイタリアーナに移籍します。移籍後チェトラから彼女にとってのセカンドアルバムが発売されました。チェトラで出した13枚のシングル盤からの曲で、ある意味ではベスト盤でもあります。
LPP- 164 (1971年1月Cetra - Fonti Cetra) CarmenVillani
LEL- 129 (1973年 MusicParade - Fonti Cetra) Carmen Villani
1.L'Amore E' Come Un Bimbo
2.Borsalino (ボルサリーノ)
3.Se (イエスYES - Shirley Bassey)
4.Dang, dang e dang (バン・シャガ・ラン)
5.Due Viole In Un Bicchiere (二つのすみれ)
6.Quelli Belli Come Noi(陽気に歌おう)
7.Hippy (ヒッピー)
8.Il profeta (愛の予言者)
9.Grin-Grin-Grin (グリン・グリン・グリン)
10.Io per amore (この愛に生きて)
11.Questa Sinfonia
12.Per Dimenticare (忘れるために)
13.Quella Strada
14.Piccola Piccola (ピッコラ・ピッコラ)
LPP- 164
LEL- 129
LEL- 129
73年に廉価盤シリーズ“ミュージック・パレード”でほぼ同様のジャケット・デザインで再発売されました。
RCAイタリアーナの第一弾は71年サンレモ音楽祭出場曲でした。しばらく低迷していたドメニコ・モドゥーニョがサンレモに再挑戦した“この胸にふたたび(Come stai)”でパートナーとして歌い、成績では彼女にとって一番の6位入賞となりました。モドゥーニョは年間ヒット・ランク60位になりましたが、“愛は限りなく”のチンクェッティのようにモドゥーニョを超えるヒットは出せず、彼女の限界が見えたとも言えます。
PM-3577 (1971年RCA Italiana– RCA Italiana) Come stai (この胸にふたたび)/Scusa se...lui
PM-3577
PM-3621
PM-3621
PM-3621 (1971年RCA Italiana – RCA Italiana) Bambinomio/Una donna sa (Make my day)
71年2枚目のシングル盤はカンツォニッシマ出場曲“Bambino mio”は、日本でいえば高田渡を思わすようなカンタウトゥーリの「酔いどれ放浪詩人」ピエロ・チャンピ(PieroCiampi)作詞、“君に涙とほほえみを(SE PIANGI SE RIDI)”の作曲家としても知られるジャンニ・マルケッティ(GianniMarchetti)にリタ・パヴォーネが名を連ねている曲です。 内容が当時イタリアではまだ法的に認められていない離婚を扱っていたので、物議をかもしました。B面は英国のラビ・シフレ(Labi Siffre)の“Make my day”のカヴァー曲です。
このレコードは『イタリアン・ロック集成』にも掲載されています。プログレ系の人の琴線にも触れるところが立ったのでしょうか? 彼女は新人歌手の頃ブルーベルで同僚だったこの「酔いどれ放浪詩人」ピエロ・チャンピと係ったことで、その後の歌手生活が大きく変わってしまいます。
と言うのも、RCAイタリアーナで3枚目のアルバムはこのピエロ・チャンピがカルメン・ヴィラーニのために全曲作るという画期的なものでした。会社側はカルメンの高いアイドル性を生かしたセールス性の高い物を求め、カルメン・ヴィラーニは自分でプロデュースし革新的なものを目指し軋轢が生じていました。カンツォニッシマ出場に間に合わすため、日頃ピエロの仕事のパートナーとなっていたマルケッティが“Bambino mio”を仕立て上げたのですが、肝心のピエロ・チャンピは仕事を放棄し、放浪に出てしまいます。会社は方向性の違いからプロモーション活動を止め、アルバム制作は頓挫してしまいます。
その後もヴィラーニのカンタウトゥーリ志向は変わらず、72年TVミュージカル・ショー番組「Senza rete」でルチオ・バティスティ(Lucio Battisti)の“Perchè dovrei”を歌い、レコードの発売を前提として録音もされましたが、RCAイタリアーナの総帥エンニオ・メリス(Ennio Melis)に嫌われ、あえなくお蔵入りとなります。
この曲はルーチョ・バッティスティがプロデュースして、ヌメロ・ウーノで育てたにもかかわらず全く売れなかったサラ(Sara)のために書いた曲でした。カルメン・ヴィラーニの“Perchè dovrei”世に出たのは25年後、ルチオ・バッティスティのカヴァー曲を集めたコンピCDに収録されるまで陽の目をみませんでした。
74321-42447・2(2) (1997年RCA – BMG RICORDI) 2CDTu Chiamale Se Vuoi...Emozioni - Battisti Cantato Dagli Altri
1-9. Perchè Dovrei
74321-42447・2(2) 

72年に彼女のレコードは全く発売されることはありませんでした。
かろうじて発売されたのは73年になってエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)が作った映画主題歌“サラの最後の男”が発売されただけでした。ただリチオ・バティスティのお蔵入りなった曲のオリジナルか者の名前が「サラ」で、何とか発売された曲のタイトルが“サラの最後の男”と言うのは何とも皮肉です。
PM-3705 (1973年4月 RCA Italiana –RCA Italiana) Un calcio al cuore /L'ultimo uomo di Sara (サラの最後の男)
PM-3705
声帯を痛めたこともあり、こうしてカルメン・ヴィラーニのデビュー以来から続いた歌手生活は一旦閉じることとなりました。
彼女は映画監督・脚本家のマリオ・イヴァルディ(Mauro Ivaldi)と結婚しており、73年以降は夫を助けることもあり、彼の映画に出演し女優活動が中心となります。ただ彼の映画は『エロティック・コメディ』が中心で、当時としてはかなり際どい彼の映画に78年まで出演、その後も84年頃までこの仕事を続けています。
カルメン・ヴィラーニの国内盤
PS- 186 (1970年4月 SEVEN SEAS – キング) 17cm CP第20回サン・レモ音楽祭第2集 (FESTIVAL DI SAN REMO 1970 Vol.2)
2. ヒッピー (HIPPY)
PS- 186
GW- 73~4
GW- 73~4
GW- 73~4 (1970年4月20日 SEVEN SEAS – キング) 30cm 2LP第20回サンレモ音楽祭(FESTIVAL DI SAN REMO 1970)
2-9.ヒッピー (HIPPY)
SR-389 (1970年5月10日 SEVEN SEAS – キング) 30cm LP カンツォニッシマ1969~70年 (CANZONISSIMA 1969-70)
12.イエス (SE)
SR- 389
GW- 113~4
GW- 113~4
GW-113~4 (1971年4月10日 SEVEN SEAS – キング) 30cm 2LP ゴールデン・ヤング・カンツォーネ・ダブル・デラックス (GOLDEN YOUNGCANZONE DOUBLE DELUXE)
1-6.ピッコラ・ピッコラ (PICCOLAPICCOLA)
SR-609~10 (1971年5月10日 SEVEN SEAS – キング) 30cm 2LPカンツォニッシマのすべて第2集 (CANZONISSIMA (II))
1-5. 二つのすみれ (DUE VIOLE IN BICCHIERE)
SR- 609~10
SRA-5206
SRA-5206
SRA-5206 (1971年 RCA –日本ビクター) 30cm LPサンレモ1971 (SAN REMO 1971)
6.この胸にふたたび(COME STAI)
(ご参考)
YMOC-0062(NKCD-6439) (2008年10月29日 KING -クライムミュージック (制作キング)) カンツォ-ネ~イタリアの風 (FORYOUR JUST MUSIC OF THE WORLD COLLECTION Vol.5)
7.バルバラの想い出 (BARBARA NON C'E)
9.涙の拒絶 (TU NO)
7.9. ピエロ・チャンピ (PieroCiampi)
YMOC-0062