ニキー(NIKY)という歌手をご存知でしょうか?イタリアのモデル兼歌手です。 もし知っている方がいるのなら、よほどのマニアか業界関係者でしょう。実はアダ・モーリの事を書こうとしたのですが、そこそこヴォリュームがありそうなので、急きょニキーしにました。
HIT-1980 (1972年2月10日 SEVEN SEAS - KING) “愛のたそがれ (MA COME FAI)/いつか見る日を(POI SI VEDRA')
ニキーの国内デビュー盤です。1970年のカンツォニッシマ出場曲で、イタリアと同じ編成です。彼女にとって絶頂期のシングル盤です。
HIT-1980
HIT-2094 (1973年5月SEVEN SEAS - KING) “誓いのくちづけ(AMORE, AMORE MIO)/いとしいあなた (IO AMO TE)
1973年4月、第2回東京音楽祭の参加曲です。浜圭介作詞作曲、マリーノ・マリーニ補作でB面も同じの日本の曲、すなわちイタリア未発売の曲です。
この時、もう一人のイタリア人歌手マルチェラが “恋に燃える太陽(SOLE CHE NASCE, SOLE CHE MUORE)”で出場しており、二人とも賞には関係ありませんでしたが、格の違いは如何ともし難いものがありました。
HIT-2094 HIT-2096
HIT-2096 (1973年4月10日SEVEN SEAS - KING) “恋に燃える太陽 (SOLE CHE NASCE, SOLE CHE MUORE)/果てしない想い (SENSAZIONI E SENTIMENTI)
1965年頃から活動を始め、66年アンコーナ(ANCONA)のフェスティヴァルに参加しました。それをマリーノ・マリーニ(MARINO MARINI)が注目し、彼のレーベル、ティファニー(TIFFANY)と契約するように勧めました。国内盤が出た当時はマリーノ・マリーニがオジさんだと言われていましたが、現在そのことは確認できません。
TIF-516 (1967 Tiffany, Italy) TU DICI CIAO/IL TIPO CHE VOLEVO
そして“TU DICI CIAO”で翌67年にデビューしました。この曲は1968年のフェスティヴァル・バール参加曲でした。同年イヴァ・ザニッキと共にバルセロナ・フェスティヴァルにイタリア代表として参加しました。
TIF-516 TIF-529
TIF-529 (1967 Tiffany, Italy) LE ALI DI CERA/C’ERA UN AMOR
また1967年の夏のディスクでトニー・レニスが歌った“グッドバイを云わないで(NON MI DIRE MAI GOOD BYE)”が映画化(監督ジャンフランコ・バルダネッロ) http://www.film.tv.it/film/4713/non-mi-dire-mai-good-bye/foto/8/ され、トニー・レニスの相手役に抜擢されました。
TIF-542 (1968Tiffany, Italy) SUONAVAN LE CHITARRE/KISS ME GOODBYE (キス・ミ-・グドバイ)
次の68年には「セッテヴォーチ」(RAI ウーノが日曜の午後に放送していたピッポ・バウドが司会する高視聴率の音楽バラエティー番組)に7回勝ち抜いた歌手としてだけでなく、ミニ・スカートのスタイルの良さでもクローズ・アップされました。
1968年の夏のディスク・フェスティヴァルの参加曲“SUONAVAN LE CHITARRE”はヴェネチア音楽祭にも参加し、彼女の歌の中でもっとも有名な曲です。
TIF-542 TIF-555
TIF-555 (1969 Tiffany, Italy) POI SI VEDRA’... (いつか見る日を) /SE PASSI DI SERA (夜の街のあなた)
翌年の1969年の夏のディスク・フェスティヴァルとフェスティヴァル・バールに“POI SI VEDRA’( いつか見る日を)”で参加しました。
TIF-556 (1969 Tiffany, Italy) CON IL VENTO DEL NORD/NON FARLO PIU’
TIF-556 TIF-558
TIF-558 (1970 Tiffany, Italy) MA COME FAI(愛のたそがれ) /VESTITI DI PIOGGIA (雨のドレス)
1970年のカンツォニッシマに出演しました。この年は男女カップル3組のトーナメント戦で行われています。第1回戦でイヴァ・ザニッキ、カテリーナ・カセルリの強豪とぶつかり “MA COME FAI(愛のたそがれ)”を歌いましたがさすがに“格違い”で敗退してしまいました。
70年代は出した曲もマイナー・ヒットどまりで、音楽番組にゲスト出演したりしていました。
TIF-560 (1971 Tiffany, Italy) SE NON E’ L’AMORE (愛でなかったら) /TI AMO MI AMI
TIF-560 TIF-562
TIF-562 (1972 Tiffany, Italy) LA MIA SOLITUDINE (わたしの孤独) /STASERA E’ FESTA (幸せは風とともに)
特筆すべきことは1973年4月、日本の第2回東京音楽祭に参加し、アルバムが発売出来たことでした。その後、彼女は1975年芸能界から引退しました。
SR- 822 (1973年3月SEVEN SEAS - KING) “イタリーの妖精/ニキー(TLA SIRENA D'ITALIA/NIKY)”
ニキーは本国イタリアでもアルバムは出ておらず、日本だけでもLP盤が発売されたことは、大変名誉なことだったようです。
SR- 822
1. 誓いのくちづけ[日] (AMORE, AMORE MIO [J])
2.いつか見る日を (POI SI VEDRA'...)
3.わたしの孤独 (LA MIA SOLITUDINE)
4.夜の街のあなた (SE PASSI DI SERA)
5.変わらぬあなた (IL POSTINO SUONERA')
6.愛のたそがれ (MA COME FAI)
7.愛のたそがれ[日] (MA COME FAI [J])
8.幸せは風とともに (STASERA E' FESTA)
9.スイートピー[伊] (A.B.C.)
10.雨のドレス (VESTITI LA PIOGGIA)
11.愛でなかったら (SE NON E' L'AMORE)
12.キス・ミー・グドバイ [伊] (KISS ME GOODBYE [I])
コンピレーション国内盤
GW- 189~90 (1972年SEVEN SEAS - KING) “ヨーロッパ・オールスターズ・イン・ジャパン(EUROPEAN ALL STARS SING IN JAPANESE)”
1-5. 愛のたそがれ [日] (MA COME FAI [J])
SR- 779 (1972年4月25日SEVEN SEAS - KING) “恋よまわれ/カンツォーネを歌おう (第5回カンツォーネ・コンクール課題曲集)(CANTA! LE CANZOI (V゚ CANZONE CONCOURT))”
5.愛のたそがれ (MA COME FAI)
GW- 247~8 (1973年8月SEVEN SEAS - KING) “カンツォーネを歌おう/第6回カンツォーネ・コンクール課題曲集)(CANZONI DATI DI CONCORSO VOCI NUOVE)”
2-3.愛のたそがれ (MA COME FAI)
歌は歌っていませんが、モデルとしてジャケットを飾っています。
GW- 241~2 (1973年3月5日SEVEN SEAS - KING) “サン・レモ・ムード・ダブル・デラックス(SAN REMO MOOD DOUBLE DELUXE)”
世の中、なかなか完璧を期することは難しいようです。日本盤シングル2枚、LP1枚は発売当時買っていたので持ってました。 イタリアのシングル盤の画像をさがしたのですが、TIF-560 (1971 Tiffany, Italy) SE NON E’ L’AMORE(愛でなかったら) /TI AMO MI AMIは見つけ出せませんでした。 また見つかった時に付け加えようと思っています。見つかりましたので追加しました。何事も諦めない事です。
今回、“自分への縛り”として歌手の生写真は使わないでおこうと思っていましたが、余りにも資料が少ないのと、彼女が75年早々に引退していることもあり、来日当時大阪心斎橋のデパートでイタリアン・フェアに出ていた彼女の写真を出しました。(私が撮った写真ですから、本人のクレームさえなければ、なんとかOKかな、と思っております。