オーケストラとの戦い②
オーケストラとの戦い③
のつづきだよん。
さてさて、ようやく打ち込みは完了した。
が、あまり時間は残されていない。
少しばかりの休憩の後、打ち込まれた全ての楽器の大まかなバランス(発音の強さと全体のヴォリューム)を取った。
僕が画面上で操作し、コンタが後ろからあれこれリクエストを出した。
「お、じゅん、こっからはカッコ良く調整するんだぞ
俺が一番好きなセクションだ
」「カッコ良くって具体的に何??(笑)」
大体そういうやり取りだ、ロックギタリストなんて(笑)
ちょっとややこしい話だから簡単に説明すると、打ち込まれた音は『MIDI 』という状態で、後から『Audio』に変換(つまり、録音)するという訳。今はまだ録音された音ではない。
現時点でも音は聞こえてるんだけど、打ち込みというのは録音に伴って『正しく演奏するプレイヤー達をプログラミングする』ようなもので、録音前の準備状態。後でそれらを演奏させて録音する。
録音してからもヴォリュームバランスは取れるんだけど、楽器の発音の強さは後から変えられないし、極端な間違いも直せない。
簡単に言うと、『小声』で録音したもののボリュームを上げても『叫び』って形には出来ないよね。
逆に、小さい音で再生しても、元が『叫び』を録音したものならしっかり『叫び』に聞こえる。
そういった、打ち込みで作る音楽では当たり前に行われる強弱調整も、この楽器の数(50本近く)では相当な労力だ。(丸々1曲じゃなくて本当に良かった)
ただ、物凄くこだわったりはしない様に調整した。時間が足りないのも勿論あるけど、ここには後からメインのメロディを弾くギターが加わるので、それでまた雰囲気も大分変わるし、アタック感等はそれで十分出る筈だっていうコンタの予想で、大体の雰囲気を大まかに調整して終った。
(日付は火曜)深夜2時過ぎぐらいだったと思う。
ここで、本当に僕の仕事は終わった。
コンタは朝からレコーディングを開始してミックスして夜にはTさんに送る筈。
結局、日曜の夜から丸二晩コンタ宅で過ごした僕。
そのままコンタ宅を後にして30分程自転車をこぎこぎ

深夜3時頃に帰宅した。
またリビングで寝てってもいいぞ、とも言われたんだけどね。
帰る!ぷい!って帰って来た。
だってね、今思い出したんだけど最初の晩にコーヒーをこぼしてしまったんだ(笑)
幸いデスク周辺の機材や譜面なんかは無事だったけど、殆ど僕のジーンズとシャツに掛かってしまった。
自分の服にこぼしたコーヒーってあんなに臭うのか、としみじみ感じた。
あの打ち込み地獄の中、最初の晩は乾くまで+αの地獄だった(笑)
まさか二晩もいるなんて考えもしなかったから着替えなんて当然ないしね(笑)
やっぱり僕って うっちょこちょいだ。
帰ってから速攻で洗濯機へポイして洗ったよ。
ちょー疲れてたけれども頑張ったよ、えっへん

ただいま、ダッフィー。

それから数日、コンタからの連絡を待つつもりだったんだけど、その後が気になってこっちからメールしてみた。
コンタから返事が来た…
簡潔に結果から言うとダメだったみたい

曰く、あれから頑張ってギターを入れてバタバタとミックスもしたけど結局タイムアップ。
音は送ってみたけどあれじゃダメだろう
と。何とも言いがたかったけど、コンタを責める話じゃないし、彼もすんごいギリギリに依頼され、ちょっとした人助け的に引き受けた身だ。
あんなに時間的にも切羽詰まった状態じゃあ、この結果もいたしかたない。
そう割り切るしか僕には出来ない。
いやーホント、お疲れさまでした(おたがい無駄に 笑)
悪いのは依頼主だ!がおーーー!
にゃん作業中に聞いた話だけど、実は随分前にも似た様な事はあったらしい。
「あん時は一からの曲作りを頼まれて3日徹夜して作ったのが採用されなかったんだよ」って。
(凝りもせずよく今回も引き受けたなあ、ギャンブラーめ 笑)
「まあ、俺は一応慣れてっから良いけど、じゅんは厳しいだろう。
事務所に突っ込んで来ても良いんだからな
火炎瓶も作ってやるから
」「へ~、そんな事もあったんですね…
で、な~んでオレが実行犯なんですか(笑)」
かくして僕たちが携わったコンサート・オープニング用のBGMは幻と消えてしまった。
きっと他の誰かのが採用されてコンサートは無事に成功するだろう。僕達のがそこで流されてたら本当に嬉しかったけどね。
難しい内容だった上に、無駄に長かったし、こんなスッキリしないオチでごめんなしょい

まさかのバッドエンドで(笑)こんなに長い文を打つ事は当分無いだろうけど、もし次に何かこういうのがあるならハッピーエンドが良いなあ(笑)
読んでくれた皆さん、ありがとうございました。
さて、火炎瓶でも作るかな

でも事務所ってどこか知らないからいいや
