いつもより少しだけ早く起き、洗濯機を回した。ただ、それだけ。
洗濯機を回しつつベッドに戻ると、まだ自分の体温が残っていて寝転がると背中が汗ばむ感覚がした。
隣にはまだ眠りに付いている彼がいた。そっと近付き、背中に顔を埋めると柔らかな落ち着く香りがして、再び目を閉じた。
ほんの数分足らずの出来事ではあったが、彼の傍に寄り添って眠る時間は私の心を幸福で満たしていった。
目が覚めてからはいつもと変わらずに彼を見送り、たっぷりの洗濯物を干した。
晴れの予報にも関わらず空は曇っていたが、気持ちは晴れ晴れとしていた。TVで気象予報士が秋の香りがすると言っていたのを思い出し、空気を吸うと確かに秋の香りがした。
朝の数分の余裕は1日を心地良く始めてくれる。そんな気がする朝だった。