攻城の種類(おびき出し/つけ入り)
今日は久しぶりに「攻城の種類シリーズ」です。今回は「おびき出し/つけ入り」を取り上げます。
「おびき出し」とは、その名の通り「敵をおびき出す」ことを言います。攻める方としては、できるだけ損害を小さくしたいわけですから、敵がノコノコと城から出てきてくれればもっけの幸いなのです![]()
おびき出しの有名な例としては、武田信玄vs.徳川家康の三方原の戦いがあります。家康はもともと浜松城にいたんですが、信玄はこれを攻めると見せかけて、そのまま背を向けて通り過ぎてしまいます。これに憤慨した徳川勢が背後から襲いかかったために野戦(三方原の戦い)が勃発しました。
結果はご存知の通り約3倍の兵力の武田軍が完勝します。分かっちゃいるけど、家康もついつい追いかけちゃったんですね。「おびき出し」は恋愛にも使えるテクニックと言えます![]()
他にも「苅田誘引(かりたおびき)」、「苅田戦法」というものもあります。これは城の周辺の稲を刈り取ってしまうという戦法で、当時は籠城兵の大半が城下の農民たちなので、自分たちが手塩に掛けて育てた稲を刈り取られる様子をじっと見ているわけにいかない、という心理をついたものです。これはかなり悪質ないやがらせですよ( ̄□ ̄;)!!
そして、怒りに任せて討って出てきた城兵を迎え撃って、そのまま城になだれ込むことを「つけ入り」と言います。
荒れ狂う農兵たちをしずめるのは、並大抵の指揮官ではできないことです。もっとも、戦さの名人真田昌幸は、居城上田城が徳川勢に攻められた際に、わざわざ苅田誘引に引っ掛かったと見せかけて、城際まで敵を引きつけておいて逆襲し、大勝しています。さすがは真田さん![]()
稲を刈る以外にも、城下町を焼き払ったり乱暴狼藉を働いたり、おびき出しのために戦国時代にはさまざまな方法がとられています。籠城戦にはガマン比べの側面がありますが、これらはまさにその最たるものと言えるでしょう![]()