通天閣からジャンジャン横丁を通り過ぎ、JRの下を抜けた薄暗く細い商店街。
こんな喫茶店がありましたが、昭和を通り越して大正ロマンの雰囲気。

通りには女性の姿はなく、労務者風の人ばかり。店を潰したと思われる金網の前に数人が
ほとんど動かず、ただじっと中を見ている。私も覗き込むと野良猫が数匹。
この人たちは他にすることがないので、ず?っと猫を眺めているのだ。変な街。
横丁を覗きながら進んでいくと、左の写真の緑の看板を見て『あっ!』とひらめいた。

確かに宝山という看板に見覚えがある。4年前初めて岸和田のだんじり祭りを見に行ったとき
ホテルの予約が取れず、新今宮駅近くで一泊1,800円で泊まったのがこの宝山だった。
駅からホテルまでの道に労務者がたくさんいて、少し怖くて外出を控えたのを覚えている。
そこがかの有名なあいりん地区、通称釜ケ崎だと後で知り納得したものでした。
ちなみに現在の宝山の宿泊料金と道の向いにあるホテルの宿泊料金の比較です。

そうとわかれば写真を撮るのを極力控え、人は絶対撮らないようにしました。
延々と続く商店街にちらほらと買い物の女性の姿が現れ始め、もうひと安心かなと思って
商店街の写真を撮っていたら、自転車に乗ったにいちゃんに怖い顔で睨まれました。
まだヤバそう。止めとこ…。 
店のシャッターにこんなポスターが貼ってありました。昼間中学に通えない子がいるのだ。

商店街の横丁に『鈴成座』という芝居小屋があり、お婆さんたちがどんどん入っていきます。
下北沢の芝居小屋『ザ・スズナリ』と名前が似ているのがおかしかった。

商店街を少し離れると、電車の線路が道を横切り、そばに道路からわずかに高くなった駅。

こんなさびれた線路のそばの横丁にも旅館の看板が見えました。

広い道の向い側に、上方落語で聞いたことのある『飛田新地』の看板。

飛田という土地は昔遊郭のあった場所です。私は遊郭のあった場所の風情が好きです。
東京の吉原・品川、玉ノ井(現在の東向島)、独身時代に住んでいたのが洲崎(木場)、
それに神戸は比較的近くに福原(平清盛が都にしたところ)と、遊郭の場所に縁があります。
角のスーパーの店先に、大勢の人が酒を飲みながらたむろしている異様な風景に遭遇。
カメラを持って通るのはヤバいのでバッグにしまい、道路の人たちを避けてスーパーに入る。
さすがに酒を飲みながら歩くのは気が引けるので、魚肉ソーセージを買って食べながら歩く。
郷に入っては郷に従えで、保護色のようにおじさんたちと一体化し、その一角を無事通過。

そんなわけで大阪の下町をあてどもなく徘徊し、怖かったけど面白い経験ができました。