地中海の分断国家キプロスの南側、ギリシャ系のキプロス共和国で20日、トルコ軍が侵攻してから50年となり、犠牲者追悼の式典が開かれた。南北分断の解消を目指す国連仲介の和平協議が暗礁に乗り上げる中、フリストドゥリディス大統領は「妥協することなく、祖国再統合を目指す」と訴えた。
国連は連邦制に基づく再統合を目指してきたが、トルコ系の北側は2国家の共存を求めている。式典に出席したギリシャのミツォタキス首相は、連邦制による解決への支持を表明した上で「再統合するまで戦いをやめない」と強調した。
キプロスでは1974年にギリシャ軍事政権の介入でクーデターが起き、トルコ軍が北側を占領し、南北に分断。北側は83年、北キプロス・トルコ共和国の独立を宣言し、トルコだけが国家承認している。
1974年以来、キプロス問題は、統治や権限分割の問題から財産、領土、治安の問題を含むまでに発展した。 1977年と1979年、2度にわたるハイレベルの合意によって包括的解決の概要が明らかになったものの、政治的平等、単一の主権、国際的人格を有する二つの地区、二つの共同体からなる連邦制が現在の交渉の目標として残っている。
日本は、1960年8月のキプロス独立と同時に国家承認し、1962年6月に外交関係を樹立しました。 当初は駐レバノン日本大使がキプロス大使を兼轄し、1990年2月駐在ギリシャ大使が兼轄するようになり、2018年1月にキプロスに日本大使館が開設されました。
EUの東端に位置するキプロスは、中東に近いことから、EUと中東の架け橋としての役割を果たそうとしている。 イスラエルを含む中東諸国とは良好な二国間関係を維持しており、ギリシャとともに、エジプトやイスラエル等と様々な分野における三か国協力を推進しているほか、近年は湾岸諸国とも安全保障や経済面での協力を深めている。