今回は、暴力の「数字」について書かれたコラムです。
日本のメディアのマスゴミぶりには目に余るものがありますが、フランスのメディアもやはりマスゴミなのかもしれません。
『数字』
Les chiffres
2005年から2006年の間に、12500人の教師が暴力的行為の被害に遭った。うち10000人が重大な侮辱と脅迫であり、2002年‐2008年と比較して25%増加している。これが教育省による最後の統計である。なぜなら、2006年に、この統計が最も暴力的な学校の番付を作るために、メディアによって悪用されたため、学校長が教育省に一切情報を送らないことを決めたからである。この日以降、教員の職業的危険を保障する1901年法の団体であるFAS(Fédération des Autonomes de Solidarité laïques 非宗教的連帯的自立連合?)のデータしか手に入らなくなっている。60万人の会員がいる、この団体の提出する数字は、訴訟の対象となった暴力行為しか調査していないため、部分的なものであが、2007年9月から2008年1月までに、5000から6000の暴力行為が記録されている。この連合の計算によると、毎日9人の教師が武器によって襲われていることになる。
CAROLINE BRIZARD
出典
LE NOUVEL OBSERVATEUR 2259 21-27 FÉVRIER 2008
http://hebdo.nouvelobs.com/hebdo/parution/p2259/articles/a367044-les_chiffres.html
次は、一連の記事の序文に相当するもので、本文とは別の記者が書いたものです。暴力の原因をゲームとネットだけに帰している点には、後の記事と比較しても違和感を覚えますが・・・
『巨大な誤解(または誤解が生む軋轢)』
Le grand malentendu
par Serge Raffy
はっきりしない雑音だ。しつこい噂。学校は火薬庫だという。潜在的な反乱者は?教師だ。彼らにとって、なぜ隠す必要があるのか、どこでも同じ訴えの繰り返し、共通の狼狽が聞こえる。グルネル通りで受け継がれる教育相の美しい演説は、何も変えはしない。教員は落ち込む。彼らと生徒の溝はかつてないほど深い。理由は知られ、一覧になっている。教師に対する尊敬が足りないのか?彼らを犠牲にしているのか?社会の貧困のせいか、目標の喪失か。確かに、しかし特に好戦的なビデオゲームとインターネットの大消費者である青少年の世代に原因がある。ウェブの恐るべき子供たちは、記憶とのこの上なく衰えた関係を持つ。この21世紀の始まりの大きな誤解だ。知識の配給元は、これら汚いガキどもを即刻理解するための鍵を持たない。自分たちが世界の王様でいられる、Facebook、MySpaceやその他のサイトのせいで身につけた、映像と感情に飢えた者たちは、黒板の前での神経の訓練を行うことの有用性を把握するのが困難だ。グーグルやウィキペディアという巨大なスーパーマーケットがディスプレー上に全てを提供してくれるのだから、学習することは何の役に立つのか?結果として教員は、円陣を張って「チャットする」のに邪魔になるのだ。暴力はそこから来る。理解できなければ殴る。ベルレモンの平手打ち事件は、教員を「子供」から隔てる文化的な「壁」の象徴だ。原因はまだなくなっていない。正面からこの現実に正しく向き合わなければならない。
出典
LE NOUVEL OBSERVATEUR 2259 21-27 FÉVRIER 2008
http://hebdo.nouvelobs.com/hebdo/parution/p2259/articles/a367042-le_grand_malentendu.html
次回、暴力に脅かされるフランスの教員【2】 以降に続きます。
Profs au bord de la crise de nerfs (神経発作の瀬戸際にある教師たち)という、暴力に直面する教師に関する記事を数回に分けて引用する予定です。