日本の懲役-OECD(OCDE)のデータから | PAGES D'ECRITURE

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フランス語の勉強のために、フランスの雑誌 Le Nouvel Observateur や新聞の記事を日本語に訳して掲載していました。たまには、フランス語の記事と関係ないことも書きます。

【漫画】ホリエモンや園児21人死傷事故…懲役ってなんだ?
 元ライブドア社長の堀江貴文被告(34)が東京地裁で2年6ヶ月の実刑判決を受けた同日、埼玉・川口市で発生した脇見運転による保育園児21人死傷事故(内4人が死亡)を起こした男(38)がさいたま地裁で懲役5年の実刑判決を言い渡された。
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『アメーバニュース』で偶然こんな記事を見つけた。


直接この記事とは関係ないが、過去に書いた記事の参考のために、日本や欧州諸国の公共支出の対GDP比を調べるために、OECD (経済協力開発機構)のHPを見ていたら、興味あるデータを見つけたことがある。


”Sélection d’indication sociale de l’OCDE : comment se positionne votre pays ? ”

というXLS形式の表だった。

(Sélection d’indicateurs sociaux : comment se positionne votre pays ? を参照)


その表の中に、人口10万人当たりの、刑務所に収監されている人数、というのがある。


日本は62人。OECD加盟国の中で、日本より少ないのはアイスランド(39人)だけだ。


ちなみに、かのアメリカ合衆国は738人!2位のポーランド(228人)に大差をつけて、トップを独走している。さすが世界の警察・アメリカ合衆国!神の祝福するジーザスランド(イエス様の国)!!

次いでメキシコ(191)、ニュージーランドとチェコ(189)、スロヴァキア(169)、ハンガリー(163)、ルクセンブルクとスペインと英国(143)の順である。それにしてもアメリカの偉大さが際立つ。


逆に下から数えると、アイスランド、日本に次いで少ないのはノルウェー(68)、フィンランド(75)、トルコ(76)、デンマーク(77)、スウェーデン(78)、スイス(83)、アイルランド(85)、フランス(88)、ベルギーとギリシア(90)、などとなっている。


ついでに、アメリカの隣のカナダは107であり、日本人には同じように見られがちなアメリカとカナダの違いが際立っている。


日本は犯罪に甘い、懲役が短いなどという意見もあるし、アメリカを見習えなどという極論もある。しかし、アメリカがいかに特殊な国か、OECD加盟30カ国の中での比較ではあるが、明らかである。刑務所に収監されている人口の多い国が、幸福とは思えない。もちろん甘すぎるのもよくないが、極端に振れて、本当の過失で30年も懲役を喰らうような国にはなってほしくない。


ついでに言うと、OECD加盟国の中での死刑存置国は、アメリカと日本と韓国(金大中政権以後、執行停止中)だけである。


人口10万人当たりの自殺者の数というデータもある。日本は20.3。これより高いのはハンガリー(22.6)だけ。日本の次は韓国(18.7)、ベルギーとフィンランド(18.4)、トルコ(16.3)、フランス(15.1)と続く。

刑務所にいる人口がダントツのアメリカは、日本のほぼ半分の10.2であり、カナダの10.6と、この点ではなぜか大差ない。


低い方では、ギリシアの2.6、メキシコの3.8、イタリアの5.6、英国の6.3、スウェーデンの6.7が目立つ。次いでオランダ(7.9)、アイスランドとスロヴァキア(8.7)などとなっている。


刑務所に収監されている人数は少なく、自殺率の高い日本は、自罰的な傾向があるのだろうか。

自殺率が極端に高くなくて、刑務所にいる人の多いアメリカが、他人に責任を擦り付ける人の多い国だ、なんて(思っていても)言うつもりはありませんよ、念のため。