連載小説更新しました。

今回は1か月以上あいてしまってすみませんでした。

わが巨人・・・今4位です。

今夜のヤクルト戦勝てるはずだったのになー。

もったいない負けでした。

明日からの中日戦では3タテしてヤクルト中日に対しては5勝1敗でいってほしい、で3位を狙ってほしいです。

 

不定期ですが連載は続けますので宜しくお願い致します。

みなさんも熱中症気を付けてくださいね。


 二次キャンプが始まった。
 ひょうまの中では、なんか風景が違って見える。
(もしかして、俺の野球人生は開幕前で終わってしまうかもしれん・・・)
 そうなのだ。
 城戸涼介に真実を話したあとは、もうひょうま自身の意思で物事は進まなくなるかもしれない。
 真実を黙っていてほしいという頼むのも違う気がする。
 きめるのは城戸自身なのだ。
 同時に、ひょうま自身も、このことによって、おきゅうと一緒になれる、なろうと思えば。
(もちろん一緒になりたい)
 となれば、当然、城戸が言わなくたって世間に明るみにならざるをえない。
(また恰好のワイドショーネタになるのだろうか)
 世間に明るみになる前にも、三門と対峙するという難関が待っている。
 順番から言えば、城戸に話して、おきゅうとともに三門に話す流れか。
(形の上では俺は二度の離婚、そして他人の妻を盗る男、ましてや大昔に子供をもうけていたという、スキャンダルまみれなわけだ)
 牧も許さないだろうし、半も当然あきれかえる図が想像できる。
(マッキーS湖ナチュラルズ追放は必至だな)
 
 そう考えが至ったところで選手たちを見るとみんながいとおしく見え、目の前が涙でぼやけてしまう。
 指導者も含めると長い長い野球人生だったから。
 野球にすべてをささげた時期もあった。
 左腕さえもささげたほどだし。
(いや、もう間違いはしない)
 左腕崩壊時、野球を捨てきれずにおきゅうへの気持ちに気付かず、結果現在間違いだらけの人生になってしまった。
 おきゅうを三門と結婚させようと仕向けた間違い
 おきゅうに関係を求めたいことをほのめかされたときに断った間違い
 城戸涼介を妊娠したおきゅうが、ひょうまが当時こもっていた山奥にやってきたときに、彼女に気づけなかった間違い。
 やがてけーこと結婚した間違い。
 けーこと離婚したあと、復縁した間違い。

 ここでまた野球とおさらばすることをためらって躊躇したら、もうひょうま自身の本当の正しい人生に戻れないかもしれない。
(野球は俺の命だと思っていたのに)
 矛盾も感じるが、考えてみたら、もともと野球は故・父いっかつに仕込まれたものであり、仕込まれていく中で、ライバル鼻形との出会いなどで自らも野球を好きになっていったのだ。
 もともとは、野球をむしろ憎んですらいたくらいだし。
 となると、野球人生を送るようになったのは極端に言えばいっかつに操作されたともいえる。
(きゅう子さんへの思いは違う、誰からも影響も操作もされていない!)
 ひょうまの涙はいつの間にかとまっていた。
 正しい人生に戻る、というよりも、星ひょうま自身の人生のスタートになるのかもしれない。
 
「新たな人生の星を目指せ」
 左腕崩壊したときいっかつに言われた言葉。
 今、やっと、ひょうま自身が純粋に誰の影響も受けずに、新たな人生、つまりは、おきゅうとともに生きる人生を、       
星はもう目指さなくてもよい。
 頂点を求めるのではなく、おきゅうとの人生を一日でも長く続けて人生を全うする。
 それでよし。
 ひょうまは、ひとり力強くうなずいた。               つづく