またj久々に連載更新しました。

頻度が落ちていてすみません。

そんなことをしているうちに巨人キャンプも終盤に。

侍ジャパンも始動始めましたね。

WBC優勝、巨人も優勝してほしいものです。

よろしくお願いします。


おきゅうと話せそうなタイミングは一度きり。
(一次キャンプ最後の休日・・・)
どうやっておきゅうと会うか。
おきゅう自身はもちろん会ってくれるだろうが、そのためには三門や周囲を撒かなければならない。
もちろん、あきこも。

会う場所も大事になってくる。
一瞬かつておきゅうがともに働いていた桜木のバーを思い浮かべたが、おきゅうを今でも愛している桜木に2人の姿を見せるのは忍びない。
しかも、沖縄は記者たちもうろうろしていて、店などで会うなんかもってのほか。
(会うことはかなわないのか)
電話か。電話でこんな大事な話をしなければならないのか。
ホテルは球団が貸し切っていて一般客はいない。
かえってホテルの中のほうがごまかしやすいかもしれない。
どうしてもその先が考え付かず、もういいやと、おきゅうにメールをする。
メール自体久々で、きゅう子さんと文字を打っただけで指先は震え、肉体も興奮してしまった。
メールして5分もたたないうちにおきゅうから返事が来た。
「会いたいです。場所は大丈夫、オキナワ時代の知り合いがいる宿があります。記者たちは絶対知らない穴場です。
私は何とかして出てきますのでひょうまさんもあきこさんを何とかしてきてください」
宿・・・ひょうまはまたも心臓がどきどきして唾を何回も飲み込んだ。
(そうか、きゅう子さんはオキナワでも慕われていたんだ・・・)
ひょうまの子供、つまり城戸涼介を妊娠しなければ、オキナワに骨をうずめる覚悟だったのだろうから。
あとはあきこか・・・。
最後の休日とあれば、あきこは絶対ひょうまにまつわりついてくる。

最後の休日の朝。
ひょうまは早朝から目が覚めてしまい、もうしたくでもするかと起き上がった。
「ひょうま」
なんと、あきこも目をぱちりとあけている。
「ねえさん・・・起きてたの?」
「今日がひょうまといられる最後のお休みでしょう?そう思ったら眠れなくて」
だろうな・・・ひょうまは舌打ちしたくなる。
「ねえさん、悪いんだが俺は出かけてくる」
「ええっなんで!?」
「いいじゃないかどこへいったって」
ひょうまはいろいろ考えたあげく、小細工はもう無理だとあきらめたのだ。
「姉さんとは今生の別れなわけじゃないだろう、俺は出かけるんだ」
「誰かと会うのね!?」
「いや、誰とも会いたくない、ひとりでぶらぶらしたい、俺だって毎日野球漬けで少しリフレッシュしたいんだ」
パジャマを脱ぎ始める。
「変わったわね・・・昔は野球のことしか頭になかったのにね」
「今更何を・・・」
ひょうまはジャケットを羽織った。
「ひとりなのにおしゃれするのね、外は暑いでしょうに」
「一応顔が知られている、変な恰好はできんだろう」
「私は何してればいいの?ひとりでどう過ごせばいいの!?」
「いい大人なんだから、一日くらいなんとかして過ごせよ」
雑に言い放つと、ひょうまは部屋を飛び出した。
つづく