連載小説更新しました。

久々ですみません。

野球は日本シリーズ始まりました。

巨人は出てませんが、家にいるときは試合を見ようと思います。

 

ひょうまとあきこ、三門とおきゅう、鼻形とけーこ、三者三様、もやもやとした気持ちでキャンプを過ごしていた。
たぶん、ひょうま、三門、鼻形は、練習が24時間続いてくれればいいと願っていたかもしれない。
(全然プラスになんかならん!家族帯同なんか)
ひょうまは一生太陽が沈まなければいいと本気で願う。
ところが、そんなひょうまたちに朗報が。

「二次キャンプでは家族帯同を解きます。もう世間にも家族のきずなを大事にしてますアピールもしっかり浸透したようだし。コストを考えてももうこの辺で十分であろうと考えます」
牧の言を、マネージャーが代弁する。
はー・・・ひょうま、三門、鼻形が一番ほっとして思い切り安堵の溜息をつきまくった。
選手たちは
「子供と離れるのがなあ・・・別れるとき泣かないかな・・・」
などと言っていたが、そんなのひょうまたちにはカンケーネー(笑)

「ええ!ずっと一緒にいられると思ったのにっ」
首脳陣の家族で一番がっくりきたのはあきこだろう。
「姉さん、キャンプはやはり男の世界なんだ。今回も、まあ俺の離婚ということがきっかけで牧がこんな異例の措置をとったが・・・」
「いつ戻ってくるの?姉さんそれまでどうしてればいいの?」
すがるような目つきのあきこ。
「どうしてれば・・・って、いいじゃないか、自由に好きなことしててくれよ。金もあるんだから、遊びにいってくれたって全然かまわんし」
「いやよ!もう、今は、ひょうまなしでは、何をしても面白くないもの」
こんなにわがままで、かつ、こんなに弱くなってしまったのかあきこは。
「友達だっているだろう、俺だって、姉さんばかりというわけにはいかん」
これがおきゅうだったら、おきゅうばかりでオーケーなのだが。
「ひょうまは私を見捨てるの!?」
飛躍しすぎだ。
なぜそう極論にもっていくのか。
「姉さん、見捨てるわけないだろう。たかだか2週間くらい離れるだけで大げさに言うなよ、もし一次キャンプだって通常通り家族帯同がなければ、1か月以上も離れていたんだぜ、そう考えれば少しはましだろう」
「ひょうまはなぜそんなに冷静でいられるの?」
涙目になっているあきこ。
恋人じゃあるまいし・・・恋人だってこんなに追いすがったりはしない。

確かにあきこには悪いことをしたと思っている。
ひょうまがおきゅうを好きにならなければ、けーこは鼻形とつきあわわず、あきこは鼻形と今も一緒に暮らしていただろう、であれば、いくらひょうまを心配してたとはいえ、こんなにならずに、鼻形の妻として、優しく、芯はしっかりした女性のままでいただろう。
(いや・・・本当の本当に鼻形さんを愛してなかったから、穏やかにしていられたのかもしれない・・・)
あきこは、恋、愛、関係なくひょうまが一番だったのだ。
ひょうまだって、あきこのことは大事、今でも弟として思いはかわらないがそこまで。
家族愛の域はもちろん超えていない。
あきこはどうなのか、もしかしたら、もうそんなの超越してしまっているのかもしれない。
かといって、一緒に暮らすとき寝室を一緒にとは言われ、断っていることもあるが、妙な真似はさすがにしてこない。さすがに赤ん坊のころから世話してきた弟ひょうまには、肉体的な面ではそういう気にはならないのだろう、あたりまえなのだが、今のあきこを見ると、それもしかねないほどの強いひょうまへの思いを感じるので、それだけが救いといえば救い。 つづく