連載小説更新しました。
よろしくお願いします。
わが巨人・・・なかなか連勝街道まっしぐらとはいきません。
ですが、昨日はベイに快勝しました!
この勢いで明日の広島戦に突入してもらいたいものです。


 ひょうまはおきゅうと話をしたいとずっと思っている。
 すぐ近くにいるのに、叶うチャンスが来るかどうか。
 城戸の恋人、有坂咲の親が城戸涼介と咲の結婚を認めたという朗報も・・・。
(もちろん、彼女は親のカウンセリングをしたのだから知っているのだろうけど・・・)
 咲の親だけでなく、こっちの親だって、本来“両親そろって”祝福してやりたいところなのに。
 
 その、おきゅうは、三門と2人、部屋でテレビを見ている。
 キャンプに家族帯同と言われたとき、なんとかして断る方法を見つけたかった。
 三門と1か月間、夜だけとはいえ、狭いホテルの一室で過すなんて。
 夜の外出は家族でも基本許されていない。
 テレビが見たいわけではない、大体普段は忙しく、よほど見たい番組は録画予約して、時間があるときにまとめてみているし・・・ほかにやることがないだけだ。
 それに、もうひとつの大きな憂鬱は、三門から突きつけられている、同居の提案。
 東京遠征のときだけと言われたおきゅうは
「私も仕事が忙しいから、帰りだって遅いし、出張もあるし・・・あなたの遠征に予定を合わせて生活することは難しいのよ」
 仕事が免罪符になるだろうと思った。
「それは仕方ないけん・・・わしは、きゅう子を感じられればいい・・・きゅう子のものがあるところに帰ってきたいとです」
 首都圏には意外と同リーグチームが多く、マッキーチームは本拠地、信州以外は、東京遠征が多い。
「ずっと出張ばかりでもなかでしょ」
 
 三門は、キャンプのはじめこそ、浮かぬ表情をしていたが、本業の野球が忙しい結果か、あきこがしっかりひょうまにくっついてるのがゆえに、まったくひょうまがおきゅうに近づく気配もないことに安心したようで、毎晩、おきゅうは三門に求められ始めた。
 求められるだけなら我慢してもいいけど、これが、これからも東京遠征のときは続くなんて・・・。
 ひょうまを思い出して気を乗せようとするのは、最初はひょうまに失礼だと思ったけど、もはやそんなこと言ってられないいくらい回数が増え、目を閉じて、相手はひょうまだと言い聞かせようとするも・・・。
(無理!)
 すべてが違いすぎるから。
 体の重さも、大きさも、もちろん声も、汗もにおいも・・・。
 ひょうまと関係を持たなければ、あるいは、我慢できたのか。
(違う!いつわりのSEXだけしか知らない人生なんてやはり間違っている)
 濡れていく三門、渇いていくおきゅう。
「おつとめ」が終わったおきゅうは、素早くガウンを羽織ると、シャワールームへ。
 早く「三門」を洗い流したい。
 ひょうまとだったら、シャワーの時間なんてもったいない、どころか、ほどなくすぐまた・・・という展開。
「きゃあ!」
 おきゅうはびっくりしてカラのバスタブに飛び込む。
 いきなり三門が裸のままヌッと、シャワールームに入ってきたからだ。
「いきなり何なのさ!」
 つい、女番長時代のすごみをきかせるおきゅう。
「夫婦じゃけん、一緒に入りたいのは、ふつうじゃなかか」
「私は一人でゆっくり入りたいっていつも言ってるでしょう!」
「いつもっていうほど、一緒の夜を過ごさないばってん、忘れたたい」
 嫌味か。
「と・・・とにかく出ていきなさいよ!話すんだったら、服に着替えるから」
「いや・・・」
 三門は、おきゅうが飛び込んだカラのバスタブに侵入してきた。   つづく