連載小説更新しました。
よろしくお願いします。
巨人・・・今村投手は2勝目をあげました
しかし昨日は初先発内海投手・・・おしかったー
今日も田口投手ホームランで泣きました。
あー・・・主催試合ベイスターズ戦では2連勝してほしかったのに。
残念です。


 キャンプに家族を帯同させることがはからずも決定し、リビングに残されたひょうま、鼻形、三門。
 ここ当分の中で、初めて3人の気持ちが一致しているのではないだろうか。
 家族を帯同させたくない!
「鼻形くんば、よかですな、けーこさんと常に一緒で・・・」
 全然羨望の声になってない三門。
「い・・・いや、まあそうだが・・・」
 鼻形は肯定の言葉を濁す。
「キャンプに家族なんて先輩方が知ったら苦言を呈されるんじゃないか?」
 ひょうまが言うも
「この球団は歴史が超浅すぎて、我々が先輩だからな」
 苦虫を噛み潰したような表情の鼻形。
「我々の部屋は離してもらおうか」
 さらに続ける。
 暗かった三門の眼に多少光が戻ってきた。
「そ・・・そればいい案ですな」
 ひょうまにとってはそれでは何のメリットもない。
 鼻形、三門の眼が行き届く場所なら、あきこは大人しくしてくれているかもしれない。
(まあ、部屋に入れば関係ないのかもしれんが・・・)
 それに、三門の部屋が近ければ、おきゅうと偶然を装って、話ができるかもしれないのに。
 だが、ひょうまは何もいえないので、ひとつだけ疑問を投げかけることにした。
「さっきの三門さんの言葉じゃないが、鼻形さんはけーこ・・・さんといつもいられるならいいじゃないですか、部屋を離すとかしなくても、お二人の邪魔はしませんから」
 フフっ・・・自虐的に笑う。
「三門くんはきゅう子さんという妻がいるからともかく、独身に戻った星君に僕らのラブラブぶりを見せ付けてしまっては申し訳ないからなあ・・・けーこは星君の元妻だし・・・もうひとつ、あきこさんにもあまり見られたくないからね」
 笑みを浮かべる鼻形だが、嬉しそうに見えないのだ。
(どうしたんだろう・・・)
 いやいや、他人の心配なんかしている余裕はない。
 
 家に帰る気にもならず、さりとて、まさか鼻形、三門と酒を飲むわけにもいかず、ひょうまは悶々としながらS湖のほうへ。
 真冬の信州、キーンと冷たい空気が張り詰めているも、ひょうまはまだ外にいるほうがましとばかりに、家から遠ざかっていく。
 やる気が起きない。
 今ごろの時期、普通なら気持ちはまっすぐキャンプにむいているはずなのに。
 なぜ、牧という男はことごとく残念なことをするのだろうか。
 しかも、本人は罪の意識どころか、ためを思ってやっているのだから始末におえない。
(人生最大の敵・・・)
 返す返すも、牧を無事高校卒業させてやったのはひょうまであることを忘れてもらいたくないものだ。
 牧が高校中退していれば、そしてひょうまが高校卒業していたら、絶対今の環境はない。
 ただし、おきゅうとも、みーなとも知り合っていなかっただろう。
(それも寂しいか・・・)
 
 寒さは感じるも、ひとりで居酒屋へ行く気にもならず、S湖端のベンチに座り、山に落ちる夕日をぼんやり眺める。
 そうはいってもいずれは帰らねばならない、あきこが待つ家へ。
「星さん」
 どきっとしてひょうまは立ち上がる、こんなはっきりしない精神状態のなかでは会いたくない人物、城戸涼介が近づいてきた。  つづく