連載小説更新しました。
よろしくお願いします。
わが巨人、私が応援する今村投手が日曜日のベイスターズ戦で2年ぶりに勝ち投手になりました!
6回を投げきってほしかったけど、次回の課題にしておきましょう。
勝つことで自信もついてくることを期待したいです。
6回はこれまた応援する宮國投手がロペス選手を抑えてくれて今村投手に勝ちを残してくれました。
宮國投手、本来先発が望ましいけど、でも、自分に適した居場所を見つけてがんばって欲しいです。



 ひょうまはすぐにうなずきたくなかった、が、結局、現状では「亡きみーなを忘れられない男」でいるしかない。
 離婚会見時からは気持ちが明らかに動いては、いる。
 鼻形は、若干のひょうまの沈黙に対し、特に気にもとめる風もなく、リビングへ。
 けーこと再婚するまでは、このマンションにいる予定の鼻形は、当然断りもなくリビングの自身の定位置に座る。
 通達された時間よりやや遅れて牧がやってきた。
「とりあえず、明けましておめでとうございます」
 牧の立場が一番上だが、非公式の場では、みんな単に年齢差だけをわきまえて話している。
「ほかのチームと違って我々は共同生活の機会があり、ここでいろんな作戦も練って日本一まで勝ち取ることができました。昨年の功績についてはよくやったといいたい」
 にこっと笑った牧だが、次の瞬間表情を引き締めた。
「だが、みんなは、いや、三門くん以外は当事者だから、言うまでもないが、いろいろやらかしてくれたね」
 またその話か・・・。
 うんざりしつつも、当事者中の当事者であるひょうま、うかつに表情には出せない。

 野球においては、自由に喜怒哀楽を表現できた、あの時代が懐かしく思い出される。
(コーチとしては、選手には計算して表情を作る場合もあるんだと言い聞かせるけど)
 マウンド上で、ひょうまはある意味正直だった。
当時はマウンドは苦しい場所でもあったが、野球の勝負という点だけで、喜怒哀楽は問題になった、そりゃあ打たれればプロなのだからひいては生活に影響を及ぼすのかもしれないが、ひょうまは生活のためでなく、野球イコール人生だったから、人生に正直だったといえよう。
(今は真逆・・・)
 
「広報半くんの仕切りで、あの1回だけの長時間離婚記者会見にて、年末もあいまって、今は世間もマスコミも鼻形星両君の離婚再婚については沈静化しているが・・・僕としては、止めを刺しておかなければならないと考えた」
 オーナーである牧はぐるり皆を見渡す。
「勝つことだけが大事な時代はもうとっくに終わっているのだ。マッキーS湖ナチュラルズとして、再びクリーンなイメージを取り戻し、確立させたい。そこで・・・」
 何をいいだすのだろうか、身構えるひょうま。
「キャンプにおいてははなはだ異例ではあるが、今季は、家族を帯同させることにする」
「ええ!?」
 いうやいなや、全員驚愕の叫び。
「そうはいっても、事情がある家族もいるだろうから全員とは強制はしない、が、強制するのは君たち首脳陣だ、わかるよな」
 牧という男は、どこまで残念なことをしてくれるのだろうか。
 ひょうまの脳は真っ青。
 今の同居家族は姉あきこ、つまりはあきこを帯同させろということか。
 今まで散々まつわりつかれ、夫婦のような扱いを希望するあきこからやっと離れられるチャンスがきたというのに。
(ぶち壊す気か)
 だが、当然のごとく、正直な意見なんか言えっこないわけで。
 鼻形や三門はさぞかし嬉しかろう・・・2人を見ると、意外と2人も困惑気味だ。
「牧くん・・・いくらなんでも、野球の世界に家族を引っ張り込むのはどうかなと・・・」
 鼻形はチラッとひょうまを見ながら言う。
 三門も
「さすがに家族一緒では甘えが出るんじゃなかとか・・・」
 これまたひょうまを見る。
 へえ、昭和的な考えだなと、感心しそうになった途端、
(ああ!)
 2人が反対する意図にひょうまは気づいてしまった。
 つづく