連載小説更新しました。
よろしくお願いします。
多分年内の更新はこれが最後になるかもしれません。
不定期ながらの更新、読んでいただいたかた、ありがとうございました。
野球シーズン中はこの冒頭に巨人のことを書かせていただいたものです。
来年は、巨人も新たな旅立ちです。
高橋由伸監督とともに、新生巨人が再び優勝をめざします。
連載小説も、不定期ですが、更新を続けていきます。
よろしくお願いします。

そして、今日はクリスマスイブ、あたたかいけど(笑)よいクリスマスイブ、そしてクリスマスをお迎えください。



 本題・・・ひょうまの心は一気に凍りつく。
 確かに、半と会うまでは、多少の警戒もしていた、けーこのことでは半に何を言われても仕方がないと覚悟してたし、もし、あきこと一緒に暮らしてなければ、あきこから過干渉されてなければ、あるいは誘いを断っていたかもしれない。
 あきこから一時たりとも逃れられるチャンスがあるなら何でも飛びつきたかった。
 だが、半と会い、けーこのことはもう気にしてないとニコニコと酒を飲む半を見て、気が緩んだ。
(脚もくずせっていわれたしな)
 
 なのに、今の半は眉間に皺を寄せ、ひょうまをぎろっと凝視している。
(俺の何がいけなかったの?)
 同性愛云々話でも、高校時代をうろうろ回想させとけばよかったのか?
(・・・最早手遅れらしい・・・)
 半までも、純粋にひょうまとは会ってくれないのか。
 ひょうまも飲みかけていた酒を力なく置いた。

「次回でもええかと思ったが、今日言うわい。お前にお願いしにゃあいかん立場だが、嫁の話を振られると気分悪い」
 リアクションに困るひょうま。
「お前が離婚して以来、嫁はお前の話題ばかり出す。冗談とはいいながら、私が独身だったら星さんと付き合うチャンスあるかしらーとかぬかしおった、フン!」
 プッ・・・吹きだしそうになりつつも、ひょうまには疑問が。
 半の嫁になった女性はデブ専だったはず、だから半と結婚してくれたんじゃなかったのか。
 だからといって、半には言えっこない。
「ほかの男がいいなんて口にだして言えるような安定した関係ということじゃないか、半。おまえもそんなことでかっかするなんて、嫁さんを愛してるってことだな、ごちそうさん!」
 最後はわざとぞんざいに言ってやるひょうま。
 ちょっとは気が楽になったかも。
 半の嫁からいくら好かれたって、ひょうまの心はもちろんなびくわけはないし、半にも誓える。
「星、わしはそんなこともまあ、今はどうでもええんじゃ」
「はあ?」
 半自身が話を振っておいてそんなことはどうでもいいなんて、意味不明。
「まあ、おまえが嫁の話を出してくれたから、流れに沿って話ができるか」
 半はあぐらから正座に切り替えた。
 ひょうまも慌てて正座しようとするも
「おまえはええ、これからの話はわしのお願いだから、お前の協力なくしては多分、いや、絶対成就できんことだろうし」
「・・・何だかわからんが、俺もお前のためならできるだけのことはしよう」
「今の言葉、忘れるなよ、星」
 半はひとつうなずくと、話し始めたのだが、いつもの半から打って変わり、声質が細くなる。

 半はデブ専の女性と再婚する。
 けーこには今思えば相当な気を使いまくり、神経すり減らしていたようなところがあったので、嫁の前でおならをしてもOKとわかったとき、これが本当の夫婦なのかもと実感した。
 いびきをかくから寝室を別にしてくれといわれることもなく、ダブルではなかったけど、一緒の部屋で眠れたし、夫婦関係だって、半が望んだときに遂行できた、嫁から求められることもあって、ますますけーことの結婚は間違いだったと気付いていく。
 だが、関係が良好で何の問題もなく、安定が続くと、なんとなく、物足りなさを覚え始めてきた。
贅沢な悩みなのは百も承知。関係者全員から半には勿体無い女性と判で押したように言われ続けているし。
 わかってはいるが、ぴたりと風も吹かない凪のような状態が一生続くかと思うと、つまらなささえ覚えてしまう。 
 つづく