連載小説更新しました。
よろしくお願いします。
巨人軍・・・昨日は劇的逆転勝ちを果たしました。
私が好きな宮國投手も中継ぎ1イニングをしっかりおさえたから、その裏逆転し、勝ち投手になれたのかもしれません。
もともと先発投手だった宮國投手、内心はどうかわかりませんが、今は、秋には勝利の方程式に参加できるようになりたいとのことです。
まずはとにかく一軍で投げ続けること。頑張れ!

 死んだ恋人への思いから、せっかく手にした幸せを手放すひょうまをマスコミは理解不能のようで、執拗なまでに似たような質疑応答をくりかえす両者。
 無制限一本勝負だから
「お時間ですのでこの辺で」
 止めるものは誰もいない。
 
 しかし・・・。
 ひょうまは、似たような質問にうんざりしつつ答えていくごとに、脳内の変化を感じ始める。
「亡き恋人への気持ち」
 を、語っていくごとに、亡きみーなの気配がひょうまから消えていくような気がする。
(みーな?)
 ひょうまは心の中で問いかける。
 みーなの「応答」はない。
 
 納得したわけではないのかもしれないが、まるで性格診断テストでうそをつかせないように手を変え品を変え質問をしていくかのごとくに仕事とはいえ嫌気がさしたのか、マスコミからのひょうまへの質問もやがて潮を引いたように終わった。
 
 次に鼻形とけーこの再婚へ話が移る。
 ひょうまにも、けーこの再婚について質問がされた。
「心の底からけーこさんには幸せになってほしいと思います」
 本当の本心から言えた。
 けーこは、会見前より表情がこわばっているように見えたが、いくらひょうまが悪いとはいえ、都合3度の離婚になるわけで、鼻形と結婚すれば4回目の結婚、イメージのことも頭をよぎったのかもしれないし、まあ、死んだ人間に負けたことをひょうまの口から改めて聞かされて悔しかったのかもしれない。
 鼻形は、感情をださないようにしていたように見える。
 気持ちよりも、事実を間違いなく伝えたいようにとれた・・・。
 
 もうひとつの報告。
 ひょうまは今後、姉であり鼻形の妻だったあきことともに暮らすということ。
 これには、マスコミは「はあ?」とざわつく。
「いくらきょうだいとはいえ、いわば加害者と被害者みたいなものじゃないですか、よくあきこさんは承知しましたね」
 もともとこのことを提案した鼻形が対応する。
「明言してませんでしたが、妻、いや、あきこさんが離婚するなら、いや、もしかしたらもっと前から、ひょうまくんと一緒にいることを望んでいたと思います。あきこさんは一般人なのでこれ以上は差し控えさせていただきますが、まあ、今回の離婚、そして後の再婚については、4人で納得して出した結論であることをご理解ください」
「星コーチはそれでいいんですか?お姉さんに罪悪感はないんですか?」
 ひょうまだって本当はあきこと一緒に暮らすことはしんどいんだけど・・・。
「姉には申し訳なく思っています、本当に・・・ただ、一緒に暮らすことは姉が望んでいることなので・・・」
 深々と頭を下げ続ける。
「へえ・・・きょうだいってそんなもんかね・・・」
 だれかのつぶやきがもれてきた。
 
 日付がかわろうとするころ、ようやく記者会見は終了。
 全員疲労困憊。
 ひょうまは席をたとうとしたら、腰の筋肉が固まっていて、ぴきっと痛みを覚えたほど。
 当然休憩時間もないし、かろうじて質疑がされないときにトイレに立ったくらい。
 つづく