連載2回分(110、111話)書けました。今後も不定期ながら更新は続けます。
よろしくお願いしますね(^^♪
このお話は、巨○の星の続編を想定して書いたものです。
面白いように勝利を続けるマッキーチーム。
試合中でも、6回あたりで7点差で勝っていれば、特に勝負の行方に神経質になることもなく、しかしながら三門には不幸な状態なわけで。
ほんと、考えることがほかにあればまだおきゅうとの溝について忘れることもできるのに。
「三門コーチ、具合でも悪い?」
元凶であるひょうまから心配され、ますます三門は落ち込んで行く。
「星くんはハーレム状態ですな・・・」
「はあ?」
そう。心で言えば、ひょうまは勿論けーこからもであるが、おきゅうからも愛されてしまっている。亡きみーなだって、ひょうまを愛したまま死んでいった。コーロギ3人娘のロミだって・・・。ひょうまが振らなければ。
ひょうまは1回も振られたことなぞないに違いない。
三門の暗い喜びはただひとつ。
東京遠征から戻る特急車中。
けーことしばしの別れのため、さびしげな表情で車窓からの景色を眺めるひょうまを見ること。
それにしたって、リーグの中ではマッキーチームだけはずれた場所にあるため、ペナントレース中は地元S湖市にいる期間よりも、こまぎれにせよ東京にいる期間のほうが圧倒的に長い。
だからひょうまの切り替えも思い切り早く、
「来週末はまた東京9連戦♪」
勝手に節をつけて歌っている有様。
鼻形もオフのころは、あきこに猜疑心を持っていたり(タヒチ事件や、城戸事件)したが、今は安定しているようだ。
(わしだけが、なぜ?わしが何か悪いこつばしたとですか!)
早くに両親を亡くした三門は、幼いきょうだい5人を抱え、世話になった親戚でいじめにあいながらきょうだいを育ててきた。高校は、きょうだいがあとおしして行かせてもらえたけど、その後はプロ野球に入り、きょうだいをひきとり、三門が完全に養ってきたのだ。
18歳から家族を養う経験なぞ、金持ち坊ちゃま鼻形、半は無論のこと、貧乏暮らしだったひょうまでさえ経験のないこと。
(自分の栄光ばかり追いつづけてなんかいられなかったですたい!)
ひょうまは速球が打たれては失踪し、大リーグ1号が故いっかつの弟子、コズマに打たれたといっては引きこもり、大リーグ2号が打たれたあとは監督の指示を待たずしてさっさとマウンドを降り、勝手に帰宅。
(まあ、大リーグ2号のときはそうやって、星くんがあてもなく夜の街をさまよってくれていたおかげで、おきゅうと結婚できたのですからよしとして)
大リーグ3号は、左腕の手首の筋肉をばらばらにする禁断の魔球と知りながら、父いっかつに勝ちたいためだけに勝手に青写真をひいて医者の制止も無視して投げ続け、結果、いっかつ相手に完全試合達成と引き換えに、左腕崩壊。
しかも5年間も行方不明で、巨○軍に復帰したいだけの一心で人里離れた山奥で1人打撃特訓を続けた・・・。
(わしにはこんなわがままな選択は許されませんでした!)
鼻形、半に至っては、ライバルひょうまが左腕崩壊と同時にあっさり引退する始末。
(わしにはありえない!)
自分の気持のまま行動できるライバルたちがうらやましかった。
三門は、まずきょうだいを養う、これが大前提。
スランプになろうと、誰が引退しようと、監督が使ってくれる限りはチームに尽くし、給料をいただかなけばならなかった。もし、三門がひょうまのように野球が出来ない体になったならば、あてもない復帰のために行方不明となって特訓・・・ではなく、すぐに今後の稼ぎの手段を見つけなければならなかっただろう。たとえ野球と関係ない職業につくことになっても。
三門の目から涙が一筋流れ落ちた。