「証拠?
あの場所を掘り起こせば。」
『103号室のおばあちゃんの、帯が出で来るはず。』
「そして、103号室のおばあちゃんの部屋には、あなたがおばあちゃんの泥を拭いた、バスタオルが隠されている。」
『そして、あなたの。』
「奥さんのバックの中には、103号室のおばあちゃんから取った。」
『通帳が入っている。』
これだけの話を、電車の一駅や二駅で話せるわけもない。
僕も、隣のご主人も、何駅か乗り越してしまった。
もちろん、この話を聞いていた、数人の乗客の人達も。
「そんな・・・!
・・・嘘だ!!」
電車が次のホームに止まった時、乗客ではなく、数名の警察官が乗ってきた。
・・・そして。
隣のご主人は、数名の警察官に連行されて行った。
僕も、もちろんの事、隣のご主人と共に警察署まで行った。
他の人には見えない、首のない彼女も一緒に。
夜も更けた頃、僕だけ先にマンションに帰された。
「明日、また来てくれ、・・・だってさ。」
『明日は、あの場所の掘り起こしかなぁ?』
・・・103号室のおばあちゃんが、まだ今朝の、あの燃えかす事件の場所にいた。
『おばあちゃん。
明日、あの人逮捕されるみたいよ。』
首のない彼女が、103号室のおばあちゃんに声をかけた。
「そうかい。
そうかい・・・。」
103号室のおばあちゃんは、嬉しそうに何度も何度も、首のない彼女にお礼を言い続ける。
僕がマンションに入ろうとした時、警備員が慌てて飛び出して来た。
「いやぁ、警察から連絡がありまして。
実は、ちょっと困った事になっています。」
「・・・え?
困った事?」
「はぁ・・・。
お宅のお隣の奥さんがあなたが作り話で、ご主人を警察に・・・どうとかこうとか。
・・・叫んでおりまして。
マンションの他の方々が大騒ぎで・・・。」
僕たち、いや、僕と、103号のおばあちゃんと、首のない彼女と。
マンションの自分の部屋には、入れないとか。
・・・全く、やれやれな話しだ。
お隣のご主人の事件だ。
夜中にお隣の奥さんにでも、怒鳴り込まれたら困るしなぁ・・・なんて考えながら、それとなしに警備員に聞いた。
「103号室のおばあちゃんと、104号室の若い女性の方と、どちらが先に死んだんですか?」
「そりゃ、104号室の女性ですよ。
104号室の女性は、そうですねぇ・・・、かれこれ、10年ほど前の事でしょうか。」
・・・10年前かぁ。
・・・僕が、引っ越してくる前の話か。
「殺人だったんですよね?」
「ええ・・・っと。
この話は、これぐらいに・・・。」
警備員の顔色が悪くなった。
「まさか、警備員さん。
あなたが殺人犯だとでも?」
※書き直した作品でもうしわけありません<(_ _)>