民法の離婚後300日規定、法相が見直し含め検討の考え(朝日新聞) - goo ニュース

夫の子なのに「前夫の子」 民法規定に改正求める声(朝日新聞) - goo ニュース

この出来事は大きく2つの問題を含んでいる。

一つは、離婚後300日は前夫の子供であるという規定は、
通常のケースでは生物学的に正しいのかもしれないが、
この事例のように実際に現在の夫の子供なのに、
法的に前夫の子供と認定されるケースがある、ということ。

このケースでは、現行法に
「300日以内であっても現在の夫の子と証明される場合はその限りではない」
と一文入れるだけでも救われるケースは多いと思う。
これは現行法の技術的な不備、というべきだろう。

もう一つは、結婚後生まれた子どもを離婚した前夫の子とすることが、
本当にいいのか、ということ。
結婚中であれば、不倫の子であっても夫婦の子とするのに、
すでに結婚関係が解消して、再婚してから生まれた子をなぜ前夫の子とするのか、
どうも納得がいかない。

さらに、
戸籍ないと旅券発行せず 元夫暴力で出生届ない生徒(共同通信) - goo ニュース
というケースでは、生物学上の親子関係うんぬんもあるが、
破たんした夫婦関係であっても離婚は簡単ではないことを表している。

そう簡単に離婚できるようでは困る、とも言えるが、
暴力によって破たんした夫婦であっても離婚できにくいのは問題だ。

また、男性の暴力が夫婦関係の破綻をもたらしたのに、
離婚後もその恐怖におびえなければならないこと、
それが17年経っても消滅していないことの恐ろしさを感じる。

このケースでは誰の子であるべきかという問題もさることながら、
17年も無戸籍でよく過ごせたな、という気がする。
これは行政の怠慢でしょう。
パスポート以外、戸籍がなくても別に困らないんでしたっけ。

民法改正に当たっては、
法の技術的な欠陥、不備の是正、救済、ということと、
そもそも夫婦関係、親子関係はどうあるべきということは、
区別して議論してほしい。

先日あった故人の冷凍保存した精子による人工受精児はどうするのかなど、
考えるべきことは多い。

一度に包括的な改正ができないのなら、問題を分けて改正してもいいし、
医学的、科学的見地からも夫婦親子どうあるべきを議論する必要もあるだろう。

ともかく、急ぐものは急ぐ、じっくり検討するものはじっくり練る、ということ。