タペット調整 その2
タペット調整に必要な工具
1.5/8インチの工具 (ロッカ-カバ-を外すため)
2.シクネスゲージ0.3mm (クリアランスを測るため)
3.1/5インチのメガネレンチ (クリアランス調整のため)
4.マイナスドライバー (クリアランス調整のため)
5.プラグレンチ (圧縮上死点を出すためあるほうが便利)
6.ライト
7.モンキーレンチ
部品は特に必要ないのだがロッカーカバーを外すためガスケットが再使用できないときはロッカーカバーガスケットが必要になります。
作業手順
1.ロッカーカバー上部の5/8ボルトを外し、ロッカーカバーを外す。
(ガスケットが密着している場合がありロッカーカバーが外れにくくなるので変形させないように)
2.No1シリンダーを圧縮上死点にする。(No4排気上死点)
*どこが圧縮上死点か分からないと思います。基本はクランクプーリーにマークがあるので合わせるのですが見えにくいので圧縮上死点の合わせ方を説明します。
①.スパークプラグを全数外す。
②.モンキーレンチでオルタネータープーリーのセンターナットを回す。(指をはさまないように注意!)
(プーリーを回すとファンベルトが回りクランクプーリーも回る。ファンベルトの張りが甘いと滑って回らないのでベルトを押さえながら回す。)
③.回しながらNo1プラグ穴からライトで照らしながら見ているとピストンが見えるので一番上がったところで止める。)
④.これで上死点になったが、圧縮上死点か排気上死点か分からないので、ロッカーアームがどのバルブを押しているかを見る。
⑤.No1の吸気・排気ともに押されていなければNo1圧縮上死点になっている。もし、排気バルブが押されていたら排気上死点になっている。
*基本はNo1圧縮上死点だがNo1排気上死点でも作業が前後するだけなのでかまわない。この作業手順はNo1圧縮上死点にしてからの調整で進めていく。
3.No1圧縮上死点の状態でロッカーアームのバルブ側を右から上下にゆすってみる。そうすると正常であれば右から1つ目、2つ目、3つ目、5つ目にガタつきがある。バルブを押していないからだ。他はバルブが押されているのでガタつきはない。
4.3のガタつきのあったところのロッカーアームとバルブのすき間の0.3mmのシクネスゲージを入れる。
5.まったく入らなければ狭い。スカスカな感じであれば広い。ちょうどいいのは少し抵抗がある感じ。例えて言うなら羊かんを切るときの感じ。
6.もし、広かったり狭かったりすれば調整となる。調整は、ロッカーアームのバルブ側の反対側にナットがあるのでナットを緩めてナットのセンターにマイナスの切れ込みがあるのでそのマイナスを回す。時計回りに回せばすき間は狭くなり反時計回りに回せばすき間は狭くなる。
7.ちょうどよく調整したらナットを締め再度シクネスゲージで測定する。(ナットを締めるとすき間が変わるので)
8.その作業を1・2・3・5つ目をし、終わったら次は残りの4・6・7・8つ目をする準備をする。
9.次はNo4圧縮上死点にする。(No1排気上死点)
10.4・6・7・8つ目を先ほどと同じように測定・調整する。
11.緩めた各ナットをもう一度締め付け点検する。(もし緩んでいたらエンジンが壊れてしまう)
12.ロッカーカバーを取り付ける。
以上で終了となる。年式やエンジンによってはオルタネータープーリーが回せないことがあるので先に回せるかみてください。もし、回せない、ベルトが滑る場合は少し広いところでMT車であれば3速にギヤをいれて車を押してください。そうすればクランクプーリーは回ります。車の輪留めを用意しておいてください。
失敗すると大変なことになるので自信のない人や分からない人はショップへ頼んでください。