最近読んだ本

「ヴィクトリアン・ホテル」下村敦史

何か事件が起こるのかなと思いながら読んだけど、特に事件は起こらず、平和でよかった。

ミステリーを好んで読むせいか、何かしらの事件を求めすぎていた、反省。

読んでて、叙述トリックであること、出てくる女優が母の時代と娘の時代の2つの時系列が絡まっているんだろうなと思ってたら、

そんな浅はかなものではなかったです、すんません。

冒頭でコロナって書かれてたから、「世の中がこんな状態になって」もコロナでの変化のことかと思ったし

来年オリンピックが開催されるかどうかも怪しいって書かれてたから、そのあとに出てくるオリンピックへの言及も東京オリンピックのことかと思ったし

トイレットペーパーの買い占めの記述だって、コロナの初めのころはそんなこともあったなぁ、なんて思い返したじゃん。

それが新型インフルエンザのことだったなんて、モスクワオリンピックのことだったなんて、オイルショックのことだったなんて!!!

そっちかー-----い!

女優も母の時代と娘の時代は合ってたけど、娘の時代は「10年前」と「今」の2つだったし。。。

これはねぇ、やられましたよ。

なんか違和感残るんだよなぁーなんて思いながら、まぁトリックを解いてやろうとか思わない性格なんでそのまま素直に読み進めてました。

これはいいね。

久々に爽快感残る。やられたなーって思った。

まぁ、難を言えば「親切」にこだわりすぎているきらいがあるけど。

ネット上の書評はいまひとつの感じのが多かったけど、複雑すぎたり技巧を凝らしすぎたりするほうが私は嫌いなので、このくらいで十分、楽しめました。

事件が起こらないのもいんじゃない。

 

「トランプ殺人事件」 竹本健治

2017年発刊の文庫版で読みました。特に調べて読みたいと思ってたわけではなく、本棚眺めていて「トランプ」と「殺人事件」というキーワードで手に取った本でした。

めちゃくちゃ読みづらかったし、嫌いなタイプの小説でした。

トリックを解き明かすために必要なことはわかるんだけど、用語集とかいらんし。読まんかったし。

めちゃくちゃ説明じみてるし。

話し方めっちゃ古くない?典子の描写とか古すぎん?って思ったら、初版は1981年でした。

生まれる前に発表された小説やった。そりゃ古いわ。受けつけんはずやわ。

なんか内容も理解できんし。

恋人の自殺を阻止しようとして自分が自殺する、って。

1980年頃はそういう考えって理解できるものだったのでしょうか?

そうまでしてなぜ自殺を止めたかったのか?自殺をとめたい、その人に死んで欲しくないって、極論を言えば自分のためじゃない?

自殺願望を持っている恋人が死んで、自分だけ残されるのが嫌だからってのが本音なんじゃないの?

恋人は無理やりにでも生き延びさせて、自分が死んだら恋人に辛い思いさせるってことは考えないのかな。

自分が死んだあとは、恋人も後を追うかもしれないし、自殺を引き留める役割の人がいなくなったから結局自殺するかもしれないって考えないのかな?

結局自分が辛い思いをしたくないから先に自殺しただけ?って思っちゃうよね。ドライすぎ?

ま、結局その恋人も1年後に自殺するんだけど。

この本で作者が言いたいことって何なんだろうなって思った。

これは時間の無駄だった。