かたくりのつれづれのままに -1840ページ目

5.エロチズム

私のふるさと信州の穂高町に碌山美術館があります。
この彫刻家はロダンの作品に相当影響を受けたようで、作風が酷似しています。
代表作は、「女」「デスペア」。
男性は多かれ少なかれSMのSの気がありますが、彼も相当あったと思います。

「女」は、縄で縛られてこそいませんが、若い女性が裸でひざまづき空を見上げているポーズです。
「デスペア」は、裸でうつ伏せに泣き崩れた姿です。
明治というまだ女性に自由がない時代に、救いを求めて見上げる姿勢に女性のか弱さとエロチズムを見出して作品にしたものと思います。
こういう大胆な彫刻というのは世界でもあまり例がないのではないでしょうか?
日本女性の表情にはきめこまやかでつつましさが自然にじんでいるので、救いを求めるたおやかさ、表情ポーズは、エロチズムをもっていますがそれに美を感じさせられます。
深くは知りませんが、SM雑誌の一流の縄師は皆フェミニストと聞きます。

痛くないように、そして女性の美しさ(被虐美)を引き出すように縛るそうです。

西洋に只一つだけ碌山の女性美に近い作品があります。
それは、ご存知「ミロのヴィーナス」。この彫刻は、腕がないから形状的に束縛と同じになり美しさが一層増したのであって、復元して腕をつけたら、美しさが半減するとおもいます。
鼻筋の通った気品のある美しさですが、西洋の作品には、日本女性のような、たおやかさはありません。

どちらもすばらしいですが。

美とエロスとエッチ境界線は鑑賞する人の心が反映されるのでしょう。 '05 Oct

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