昼間、偶々同じくNHK放映の「激突めしあがれ 自作ラーメン頂上決戦」を視聴していた。
何だか、結果的に”天国ぱぱ”と”地獄ぱぱ”を見比べる様な格好になってしまった。
”天国ぱぱ”
丹精込めた自らの手料理を振舞い、家族からは「美味しい」「おいちい
」と喜ばれ同僚や知人からは「天才
」と賞賛される。
ご本人達は、「常軌を逸している」「変態」と笑い笑われながらもプロフェッショナルさえ作り出せない様な冒険心に満ちた美しい丼が完成し食卓の中心で輝く。
一方。
この番組では、”地獄ぱぱ”を見る羽目になってしまった。
仕事にも家庭にも社会的な人間関係にも、長年の努力を積み重ねて築いた幸福な環境。
一流企業での安定した仕事や快適な住まい、優しい妻・可愛い子供達。
コロナ禍で始まった、リモート・ワークの合間時間。
手にしたスマートフォンを眺めながら、ふと”ほんの暇潰しに”とクリックしたオンラインカジノが彼を想像もしなかった火車に引き摺り込む。
彼は、”夫”でも”父親”でもなくなりただただ24時間カジノに狂う奴隷になった。
「子供達の事も、考えられない。遊んでいる時間も、カジノがやりたいだけ」
多額の負債を知らされながらも、離婚を踏み止まってくれた妻。
そんな家族に、責任を持って「もう、ギャンブルはしない」と誓った筈だった。
ところが、またもなけなしのお金を注ぎ込む。
「”目標金額”を達成しても、それじゃ止められない。もっと、もっとやりたくなる」
・・・と言う事は。
最早”勝つ(儲ける)”事が、目的では無くなっている。
ただただ、オンラインカジノを”やり続ける”事のみが目的に変わってしまっているのだ。
自殺まで仄めかし、支援者がビジネスホテルに匿っていたけど大丈夫なのかなあ。
”アディクション”の恐怖。
彼は、前頭葉が破壊され人間の姿形をしながら善悪の区別すら付かない”廃人”と化していたのだった。こんな人間達を、僅かな機関でどんどん作り続ける。
番組は、その”罠”の構造を丁寧に追っていた。
インターネットに、”オンラインカジノ誘導記事”を上げる男性は利益の高さを誇っていた。
その奥側には、明らかに”日本人”を標的とした”スタッフ募集・育成”そして”顧客集め”がある。
場所は、風光明媚なマルタ共和国。
観光客を対象に、”カジノ”に鷹揚な法律で賄っている。
見栄えも良い若者達を、「僕達と、愉快に働きませんか?」と甘言で釣り上げる。
簡単な仕事、高給。
彼等が微笑む画面の向こう側には、”蟻地獄”に陥った数え切れない奴隷達が目を剝いて賭けの結果に見入っている。
”元スタッフ”は、賭博の勝敗を”操作されている”と証言した。
詰まりは、そもそもギャンブルでは無く”詐欺”犯罪である。
”児童ポルノ”もそうだったが、犯罪者は捕まれ!!
相応の罰を受けるべきだ。
この取材が始められた頃、我が国では安倍晋三首相の旗振りの元”公営カジノ”が着々と現実化されていた。
この人物の”御友人”は、旧統一教会の韓鶴子氏やアメリカ大統領ドナルド・トランプ氏ら有名な賭博好きばかり。
彼の”御友人”を集めた桜のぱーちーでは、一目で”その筋”と分かる方々賑やかに集っていた。
一体、日本をどうする気でいたのだろう。