日本の分岐点「警告」 -430ページ目

東南アジアの某国

東南アジアの某国


「世界警察機構某国支部」では人の動きがいつもになく活発になっている。


現地採用の調査官であるウー・ペートゥィンは、同じく現地採用のコ・ソーナインと二人一組で調査活動をしている。
支部ができたのは最近の事で、支部ができるにあたり10ヶ月前に職員の募集があった。
軍事政権下のこの国では就職難が恒久的になっているため、国全体から3万人にも及ぶ応募者があり400名が採用された。
採用された人達は6ヶ月に及ぶ過酷な訓練がなされ、国の各所に置かれた支部に配属されている。


世界警察の仕事は現地の情勢を報告することだが、普段は主に現地警察のサポートが仕事となっている。
6ヶ月の期間に調査官には、世界最高峰の警察官としての訓練がなされていた。


世界警察某国支部

ウー・ペートゥィンは相棒のコ・ソーナインとテレビを見ている。
テレビでは首都でデモが始まったと言うニュースを流している。


ウー・ペートゥィン「久しぶりのデモだな。」
コ・ソーナイン「今回のデモの目的は何だろう。」
ウー・ペートゥィン「最近物価が上がったということはないし。」
コ・ソーナイン「軍が事件を起こしたと言うことも聞いていない。」


そこへ署長のクルト・イプセンがやってきて「民主化を要求するデモだ。」と言った。


ウー・ペートゥィン「また民主化を要求するデモか。」
コ・ソーナイン「前回の民主化のデモは何年前だった?」
ウー・ペートゥィン「5年前で、9年前にもあった。」
コ・ソーナイン「9年前は選挙までして、民主勢力が勝利したのに軍が制圧したんだっけ。」
ウー・ペートゥィン「そう、5年前の時は選挙にこぎつける前に軍部が制圧に乗り出し選挙にもならなかった。」
コ・ソーナイン「今回は選挙にまで進展するのだろうか?」


二人の話を聞いていた署長が
「世界警察の方針では、選挙を実施させて民主化勢力が勝利すれば、軍部の圧力を排除するために動く事になっている。」
「世界警察としてデモ隊を援護して選挙にまで持ち込めるよう情報を集めるようにと通達があった。」


ウー・ペートゥィン「私たち一般民衆は民主化を望んでいる、喜んで情報収集をします。」
コ・ソーナイン「これから忙しくなるぞ、やりがいのある仕事にめぐり合えた。」
ウー・ペートゥィン「じゃあ、早速情報を集めに行きますか。」
コ・ソーナイン「善は急げ、さあ、出発。」
ウー・ペートゥィン「OK!」