コダクロームと言えば、その独特の現像法が有名だった。同じKodakの「エクタクローム」やフジの「フジクローム」は発色層を最初から持っているのに対し、コダクロームは外式という「現像処理後に色素で着色する」と言う独特の方式である。その特性上高感度のフィルムが無く、当初はISO25とISO64しか無かった。のちにISO200も発売されたが、やはり25や64と比較すると粒子の粗さが目立った感じであった。
かれこれ20年近く前になるが、コダクローム64と200を何度か使った事がある。感度に対して安堵感を感じた為か低感度の64よりも200の方がピントが甘い(動体ぶれや手ぶれ)を頻発してしまった記憶がある。むしろ、64の方が気構えを持って撮影する為に手ぶれなどに気を使った為だろうと思う。
発色も独特で、同社のエクタクロームと比べても重厚感のある発色をしてくれた。エクタクロームはどちらかというと「鮮やか」な発色傾向だった。私自身としてはコダクロームの発色の方が好みではあったが、自家現像が出来ないために主に使っていたのはエクタクロームのほうであった。以下のリンク先にあるハクチョウの写真はエクタクローム100で撮影したものだ。
「 http://fotologue.jp/sheepfactry#/5518885/6577085 」
フィルム自体の価格差はさほどでなかったが、現像にかかる金額や日数を考えるとコダクロームを使いたくてもなかなか使えなかったというのが実態だった。
内式リバーサルであるエクタクロームやエリートクロームはまだ供給されるようなので一安心という感じだが、一時代を築いたコダクロームも供給が止まると言うのは非常に寂しさを感じる。
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by TREview