先日放送されたNHK「スポーツ×ヒューマン『チームを勝たせる存在に〜サッカー日本代表・板倉滉〜』」を視聴しました。森保ジャパンの守備の要として活躍する板倉滉の現在地と、北中米ワールドカップへの思いが描かれた内容でした。
番組を見て最も印象に残ったのは、板倉が前回のカタールワールドカップで世界との実力差を強く感じていたことです。
日本代表はドイツやスペインを相手に歴史的な勝利を収めましたが、板倉自身は満足していませんでした。むしろ、世界トップクラスの選手たちとの1対1の局面では、自分の持ち味である高さや対人能力が十分に通用しなかったと感じていたそうです。特にスペイン戦での経験は今でも強く記憶に残っており、「スピード」「パワー」「個の力」の差を痛感したと語っていました。
多くの選手なら大会出場そのものを大きな成功体験として捉えるかもしれません。しかし板倉は、そこで見えた課題から目を背けることなく、自分に足りない部分を冷静に分析していました。その姿勢に強いプロ意識を感じました。
その課題克服のために取り組んでいるのが、「自分から攻める守備」です。
従来の守備は相手の動きに対応する受け身の要素が強かったかもしれません。しかし板倉は、世界のトップレベルで戦うためには相手を待つのではなく、自ら仕掛けて主導権を握る守備が必要だと考えています。
番組内でも「自分から攻める守備の意識をすり込む」という言葉が紹介されていました。あえてリスクを負ってでも前に出てボールを奪いにいく。その積極性を日々のプレーの中で磨いている姿が印象的でした。
また、フィジカル強化への取り組みも非常に興味深いものでした。
板倉は体重管理と栄養バランスを徹底し、5年前と比較して5キロ以上体重を増やしたそうです。食事量にも気を配り、当たり負けしない身体づくりを継続しています。
サッカーでは技術や戦術が注目されがちですが、世界のトップ選手たちと互角に渡り合うためには強靭なフィジカルも欠かせません。細かな接触プレーや球際の競り合いが試合の勝敗を左右するからです。
私自身ランニングを続けていますが、長距離走においても体重管理や栄養補給は重要なテーマです。競技は違っても、日々の積み重ねによって身体を作り上げていく姿勢には大いに共感しました。
さらに印象的だったのは、板倉が単なる守備の中心選手ではなく、チームをまとめるリーダーとしての役割も意識していることです。
かつて日本代表を支えた吉田麻也の姿を目標とし、年下の選手たちに積極的に声を掛けながら守備陣を統率しようとしています。「誰と組んでもコミュニケーションを取る」という言葉からも、チーム全体を良くしようという責任感が伝わってきました。
シーズン中には神経痛による長期離脱という苦しい時期も経験しました。しかし、その期間も代表の試合を見ながら自分に足りないものを見つめ続け、復帰後は再び高いレベルで戦う姿を見せていました。
番組の最後で語った「ワールドカップに出たいではなくて、ワールドカップで勝つという基準を持っている」という言葉がとても印象的でした。
出場することが目標ではなく、世界を相手に勝つことが目標。そのために世界との差を認め、自ら課題を設定し、一歩ずつ成長を続ける姿勢こそが板倉滉の強さなのだと思います。
2026年北中米ワールドカップの日本戦まで残りわずか。守備の要としてだけでなく、チームを勝利へ導くリーダーとして成長を続ける板倉の姿に期待したいと思います。そして日本代表が世界の強豪国と対等に戦い、その先の景色を見せてくれることを楽しみにしています。
おわり
